〜Sheetmetal World INDIA〜

インドの板金市場を牽引する建機・農機業界
旺盛なインフラ投資を約束する「第12次5カ年計画」と「農業の機械化」が成長を後押し



南アジア最大の建機の展示会「EXCON 2011」
L&Tコマツの油圧ショベル。活発な商談が交わされたL&Tコマツの油圧ショベル。活発な商談が交わされた
南アジア最大の建設機械(建機)の展示会「EXCON 2011」が、昨年11月23日から27日までの5日間、インドのバンガロールで開催された。
今回の出展者数は630社・団体(インド国内400社、国外230社)で、前回2009年開催時の464社・団体から35.8%の大幅増となった。国内・国外を問わず、世界の大手メーカーの多くが一堂に会し、インド建機市場にかける期待の高さを物語っていた。
日系メーカーとしては、日立建機とタタ・モーターズ(インド)の合弁会社「TELCON」(以下、日立テルコン)、コマツとラーセン・アンド・トゥブロ(インド)の合弁会社「L&Tコマツ」、コベルコ建機。欧米系メーカーとしては、JCB(英国)、キャタピラー(米国)、テレックス(米国)、シュウィング・ステッター(ドイツ)、ボルボ(スウェーデン)など。アジア系メーカーとしては、三一重工(中国)、斗山(韓国)、現代建機(韓国)などが出展した。
外資系メーカーだけでなく、40年間にわたるコマツとの技術援助契約が1997年に終了して以来、自社ブランド製品を生産・供給している国内最大手BEML(Bharat Earth Movers Limited)などのインドローカルメーカーも出展。そのほか、外資系メーカーと一緒にインド進出を果たした外資系の板金サプライヤーや、多数の国内サプライヤーも出展していた。
出展していたメーカー、サプライヤーに話を聞くと、ローカル企業の多くが「生産設備をNC マシンなどの近代的な設備に更新することを検討している」と語っていた。
外資系メーカーからは「“ターンキー方式”(即座に利用可能な状態で導入すること)で完成品として供給できる優良なサプライヤーを確保したい」という声も聞かれ、メーカーからのQ,C,D要求と一括発注のニーズが高まりを見せていることがうかがえた。

インドの建機市場について
ジョンディア(米国)の大型収穫機ジョンディア(米国)の大型収穫機
インドの建機業界は今のところ、米国・中国と比べると規模が小さい。しかし、2012年4月から実施される「第12次5カ年計画(2012-16年度)」によるインフラ開発への多額の投資策が功を奏せば、建機業界の成長を大きく後押しするとみられている。
「第12次5カ年計画」では、年率9.0〜9.5%の経済成長率を目指している。この計画によるインフラ事業への投資額の見込みは約1兆ドル(78兆円、1ドル=78円換算)。「第11次5カ年計画(2007-11年度)」のインフラ投資額は約5,000億ドル(39兆円)といわれ、その約2倍に相当する。...

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