そこが聞きたい - 税の話
平成24 年度税制改正 給与・退職金関係について

税理士 毛塚勝貴



平成24年度税制改正大綱において、所得税関係では役員給与等の収入金額が2,000万円を超える場合の給与所得控除の縮減が除外されたものの、前年度改正の積み残しとなっていた1.給与所得控除の上限設定2.特定支出控除の見直し3.退職所得課税の見直し等が再び盛り込まれています。

I 給与所得控除の見直し
1.給与所得控除の上限設定
現行の給与所得控除は、収入金額に応じて逓増的に控除額が増加していく仕組みとなっており、年収が1,000万円超の場合には一律、「収入金額×5%+170万円」で収入から差し引く控除額を計算していきます。上限が無い、言い換えれば青天井だという批判もあり、今回の改正において、その年中の給与収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除については、245万円の上限が設けられることになりました。
2.特定支出控除の見直し
給与の収入金額からは、勤務費用の概算控除、即ち給与所得控除を差し引きますが、所定の実額支出(特定支出)が給与所得控除を超える場合には、給与所得控除後の金額から、その超える部分の金額を控除することが出来ます。今回の改正において、特定支出控除を使いやすくする観点から、特定支出の範囲を拡大するとともに、特定支出控除の適用判定の基準等が見直されます。...

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