〜2012年を占う〜

I 新春アンケート調査
六重苦で先行きへの不透明感が増す一方、東日本大震災の復興需要に注目が集まる
65%超の企業がBCP/BCM などのリスクマネジメント強化に取り組む



2011年は試練の連続
2011年の日本経済は、3.11東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故、円高の進行、大型台風による被害、タイの洪水被害、欧州ソブリンリスクなど、試練の連続だった。
国内生産は、昨年3月の東日本大震災以降、5月頃までは震災と津波の被害によるサプライチェーンの壊滅で大幅に落ち込んだが、民間企業の素早い復旧で7〜9月期には実質GDP成長率が年率換算6.0%と急回復。震災前の状況まで回復しつつあったが、10月以降は欧州ソブリンリスクの表面化とタイの洪水被害で、先行きへの不透明感が顕著になっている。
海外市場も、リーマンショック以降の世界経済をけん引してきた中国が、昨年4月以降、インフレ対策の金融引き締め政策で減速。米国も依然としてリーマンショック以降のバランスシート問題をひきずっている。
板金業界も、震災の復旧・復興需要に対応する一部の業種が特需状態になるなど、回復の兆しが見られるものの、こうした世界経済の減速を受けて、全体的には停滞感が現れている。

「六重苦」で先行きの不透明感が増す
さらに、日本の産業界は①貿易自由化の遅れ、②超円高、③電力不足、④労働規制、⑤高い法人税、⑥環境規制――という「六重苦」にさらされているとも言われている。民間調査機関の多くは2012年度の成長率を1〜2%台と予測しているが、様々なリスクを勘案して下方修正する動きも出てきており、板金業界にとっても先行きが不透明な状況が続くと予想される。
こうした中、『Sheetmetalましん&そふと』編集部では、2010年1月号以来2年ぶりに「新春景気見通しアンケート」を無作為に実施。昨年末に全国の板金企業440社を抽出し、インターネットとFAXでアンケート調査を行った。回答者は109社、回答率は24.8%となった。...

◆ その他コメント◆ その他コメント
・「復興需要があり、ある程度景気がよくなると思うが、輸出の減少が心配」
・「外的な要因があまりにも重なるため、まったく読めない」
・「2年間程度はこの状態が続くと思われるが、将来的には得意先の海外流出がさらに拡大することが予
 想されるため、非常に厳しい状況が予想される」
・「欧州やアメリカの債務問題による需要の減退が、アジアの好調な景気に大きな影響を及ぼす危険があ
 る。リーマンショックの比ではない恐慌の可能性もあると思うので、見通しはつかない」


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