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大型ベンディングマシンHDで原発使用済み核燃料搬送および貯蔵容器関連部材を生産
優秀板金製品技能フェア 連続10回の覇気と、それを支える技術

有限会社ウシオ工産



昨年30周年を迎え、新しい時代に突入
潮 稔 代表取締役社長潮 稔 代表取締役社長
同社を訪ねたのは昨年の11月。まず目を引くのが社屋の外壁を覆ったステンレス板が、朝の光に輝いていたこと。いかにもステンレスに強い会社、との印象を受けた。
2階事務所に通ると、事務所壁には陶板の美術工芸品の額があちこちに飾られ、潮社長の美的センスの一端を垣間見た気がした。
「私は島根から来阪、エレベータ・クレーンなどを製作する会社を経て20歳の時にあるサッシメーカーへ転職しました。そこではモノづくりのノウハウを磨くとともに、営業で自信をつけ、若くして一目置かれるようになってきました。そうなると転勤の話も浮上してきましたが、家族もいることで、退社して自分の城を創ることにしました」。営業力だけでは心もとないのではなかったか、と聞くと「営業として伸びたのは、現場の工程すべてを経験させてもらい加工の難しさも、また面白みも経験していたから」とのこと。
潮社長が独立したことを聞くと、以前からの知り合い3人が共に仕事をしたいと入社。貸工場にアマダのシャーリング、ブレーキを揃え、世話になった会社とは競合しないところから仕事を請けるようになる。
「前にいた会社の設備がすべてアマダ製だったので、私も迷うことなく、すべてアマダで揃えていきました」。
仕事はステンレス、スチール製のサッシ・ドアやATMブース、トイレブース、手摺、タラップ、ステンレスのシンク・タンクなどで、最終納品先は大手サッシ、シャッターメーカーが名を連ねる。

1988年、現住所に新社屋完成
大型ベンディングマシンHD-6006NT を操作する。担当者が小さく見える大きさ大型ベンディングマシンHD-6006NT を操作する。担当者が小さく見える大きさ
仕事が年々増えて従来の貸工場では狭隘になってきていた。潮社長はそう感じ始めた頃から土地を探し、自前の工場設立を計画していた。
1988年(平成元年)に土地798m2、建屋605m2、2階建ての新工場が竣工した。白い壁面に幅200cmくらいのステンレスの帯を巻いて、モダンさとステンレスに強い会社のイメージをPRした。新工場完成後に社員たちだけで社屋の前面部を半間(90cm)ほどを拡張する工事を行った。四隅にH鋼を立て、床にも鋼材を入れ、壁には斜めの筋交いで補強し、建築業者が施工したのと寸分の違いも無いように骨格をつくった。内装だけは専門業者に任せたが改修部分は社員たちの力を合わせてこそできた賜物。...

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