〜Event〜

「諏訪圏工業メッセ2011」開催
板金各社、精密部品の工法置換として板金加工をアピール



「諏訪圏工業メッセ2011」が10 月13 日から15 日までの3 日間、長野県諏訪市にある諏訪湖イベントホールで開催された。「世界のSUWA」ブランドを目指し、信州・諏訪地域6 市町村の製造業者261 社が456 小間に出展。昨年を上回る2 万5,928 人が来場し、盛況のうちに終了した。
卓越した精密加工技術を武器に「世界のSUWA」ブランドをPR
高精度な指先サイズの製品を展示(クロダ精機(株))高精度な指先サイズの製品を展示(クロダ精機(株))
同メッセは今年で10 回目を迎え、回を重ねるごとに出展者・来場者数が増えている。もともと精密機械工業が盛んだった諏訪地方では、多くの中小製造企業が、卓越した精密加工技術を武器に「世界のSUWA」ブランドを支えてきた。
しかし、円高・産業空洞化をはじめとした産業構造のパラダイムシフトによって、業態は大きく変化している。とりわけ発注元である県内の精密機械メーカーが海外生産にシフトする中で、受注量の減少、コストダウン、環境対応など、さまざまな経営課題が生まれている。
こうした中で自社の独自技術を武器に自社ブランド製品の開発や、地域ごとに異業種企業が連携するモノづくりネットワークの構築など、さまざまな対応が見られるようになっている。今回のメッセでも、佐久市や岡谷市などの製造企業が連携して共同ブースを出展し、地域ネットワークの中で生まれた技術を紹介する展示も見られた。

産業のパラダイムシフトが出展にも影響
板金市場の拡大を目指し、XY ステージや積層板金部品、機械加工を板金加工に置換した製品例を出展((株)平出精密)板金市場の拡大を目指し、XY ステージや積層板金部品、機械加工を板金加工に置換した製品例を出展((株)平出精密)
同地域には板金企業が多く、同メッセにも過去多くの企業が出展していた。しかし、今回はその傾向に変化が見られ、単独出展した企業が3 社、地域共同出展コーナーに出展した企業が1 社のみの参加となった。
出展を取りやめた企業からは「国内に残る仕事を追いかけるのではなく、県外への営業開拓に力を入れる必要があります。同メッセの出展料は5 万円と、他の公共展と比べても低価格ですが、それよりも県外での展示会費用に充て、商圏を拡大しようと考えました」、「出展には企業のPR 活動という側面もありますが、来場者の大半が県内企業。当社を知っていただくという目的と効果については、10 回目の今回を節目に、一度見直そうと考えました」といった声が聞かれた。受注環境の変化に対応し、県外での営業活動を重視して出展を見送ったケースが多いように思われる。...

つづきは本誌2011年12月号でご購読下さい。