〜Sheetmetal World〜
乗り心地は新幹線並みの高速鉄道 上海虹橋駅の自動券売機コーナー
まず、上海からの高速鉄道だが最高スピードを時速300qに落として運行、快適に北京に到着した。北京への始発駅である上海虹ホンチャオ橋駅は、上海虹橋国際空港の第2ターミナルとは徒歩で移動が可能となっており、利用者の利便性が最大限に考慮されている。羽田からの国際線が到着する第1ターミナルからは地下鉄に乗って1駅で移動することができる。駅構内は広々としており、ATMや自動券売機などが充実していた。しかし、外国人はパスポートの提示が必要なため、窓口での購入となる。高速鉄道にはビジネスクラス、1等車、2等車の3種類の車両があり、ビジネスクラスは2等車の約4倍の料金が必要だが、飛行機のビジネスクラスと同じようにフルフラットの椅子が用意されている。1等車は日本でのグリーン車仕様で専任のパーサーが飲み物などをサービスしてくれる。2等車は日本の新幹線普通車と同様に、2列、3列の座席が並んでいて、日本より窮屈な感じがする。 発車15分前になると改札ゲートが開き、乗客は車両に乗車するようになっている。 過密ダイヤでの運行には課題が多い 乗車した車両はシーメンスの技術を導入して開発されたCRH3型車両で、10両編成となっている。最高時速は350qを出すことができる。上海駅で乗車した乗客は定員の半分ほどだったが蘇州、南京と停車するたびに乗客が増え、北京南駅到着頃には定員の90%くらいの乗車率となっていた。走行中のスピードは各車両の先頭、後方のデッキ側上部に表示されるようになっており、5時間30分ほどの乗車時間の間、瞬間的に最高時速は213qを表示したが、概ね300kmを超えることはあまりなかった。振動も少なく、乗り心地は日本の新幹線と比較しても遜色はなかった。ただ、日本の静かな新幹線を想定していると、スピードを加速するときモータ音が気になった。また、パンタグラフの風切音も聞こえ、まだまだ改善の余地はありそうである。運転間隔は1時間に3本ほどであり、新幹線の過密ダイヤとは程遠く、運行システムに関しては信号システムを含め、まだ未知数という気がした。 到着した北京南駅では、降車した乗客が改札口に殺到したこともあって、自動改札機がトラブルで使用不能となり、解放されたままの改札機の前をチェックもないままに降車することとなった。しかし、トラブルはそれだけではなかった。北京南駅には地下鉄も乗り入れているが乗降客で混雑するので、多くの乗客がタクシー乗り場に列をなすのだが、当日に限ってなのか不明だが、タクシーがなかなか来ない。40〜50分ほど待ってやっと乗ることができる状況で、白タクの客引きも目立ち、北京南駅からのアクセスがまだ十分ではなかった。... つづきは本誌2011年11月号でご購読下さい。 |