〜省エネ・加工領域拡大を実現する次世代加工マシン〜

難加工材への対応・省エネを実現するファイバーレーザ加工機「FOL-3015AJ」
4kWモデルと2kWモデルの2機種をラインナップ


出力4kWと2kWの2機種を用意
ファイバーレーザのエネルギー効率はCO2レーザの3倍、電気消費量は1/3ファイバーレーザのエネルギー効率はCO2レーザの3倍、電気消費量は1/3
アマダは5月、自社製高出力ファイバーレーザ発振器を搭載した次世代レーザとして、全軸リニア駆動のフライングオプティクス型ファイバーレーザ加工機「FOL-3015AJ」を開発したと発表しました。
切断の加工技術を追求すべく、機電一体開発を行ったFOL-3015AJは、出力4kWの自社製ファイバーレーザ発振器を搭載し、新たなアプリケーション技術を融合させることで、次世代レーザ加工機に求められる要件(難加工材への対応・省エネ・知能化)に対応することが可能になりました。
FOL-3015AJは本年11月より量産を開始します。発表当初は4kW発振器を搭載する機種のみでしたが、自社製ファイバーレーザ発振器を搭載した切断加工機の初号機として、ファイバーレーザの持つ特徴・効果を最大限に発揮し、用途に合わせた最適なマシンを提供するために、新たに2kW発振器を搭載したモデルを加え、「4kWモデル」と「2kWモデル」の2機種を用意しました。

米・JDSU 社とのアライアンスで発振器を開発
左のネスティングデータをもとに加工している様子をライブカメラで撮影。軸スピードは340m/min、 加減速スピードは5Gを実現 左のネスティングデータをもとに加工している様子をライブカメラで撮影。軸スピードは340m/min、 加減速スピードは5Gを実現
アマダは2005年から、市販のファイバーレーザ発振器をベースにした加工技術の評価に着手し、アメリカのJDSU社から基礎コンポーネントの提供を受けることを決定。この基礎コンポーネントとレーザ加工機とをつなぐ周辺技術を独自技術で展開し、自社製ファイバーレーザ発振器の開発に成功しました。
この発振器は、LD(レーザダイオード)の光をダイレクトにファイバーで発振させるモノシリック構造の光エンジンで、増幅された光は導光用のファイバーにシームレスでつながっています。発振器を構成するモジュール1基あたりの出力は600W。このモジュールを7基積み重ねることで、出力4kWの発振器ができ上がっています。
光源となるモジュール化された光エンジンを組み合わせることで、板金加工(高出力)のみならず、微細加工(低出力)の用途にも適した出力の異なる商品ラインナップの拡充や、きめ細やかなユーザー対応が可能となります。
これまで国内外のファイバーレーザの分野においては、レーザ加工機とレーザ発振器のメーカーは分離しており、一貫メーカーは存在していませんでした。しかし、アマダがJDSU社とのアライアンスを組み、マシンメーカーでありながら自社製発振器の開発に成功したことで、加工機とファイバーレーザ発振器の一貫メーカーとなりました。...

つづきは本誌2011年11月号でご購読下さい。