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昇降機や医療機器の板金製造 ― 安全・安心を提供
板金・プレスから機械加工、アセンブリーまで対応、総合力で生き残りをかける

株式会社 齋藤機械製作所



創業当初から組立にも対応
代表取締役 齋藤浩吉 氏代表取締役 齋藤浩吉
創業当初は当時急増し始めた金銭登録機(レジスター)の部品のプレス加工をメインの業務としていた。1970年に、大手電機メーカーから昇降機用部品(エレベータ用扉のスイッチ部分)を受注するようになった。スイッチの部分は非常にデリケートで、扉の開閉を確認してから上下に移動する仕組みとなっていて、異種材を組み合わせて加工する技術も身につけていった。さらにはエレベータが昇降する際の振動を最小にするためのローラーガイドなどの製作にも係わり、世界最速といわれる高いタワービルのエレベータ製作にも参画することができた。最新の製品づくりに係わることで、社内にも高度な加工技術が蓄積されていった。

AP100 で作成した立体姿図AP100 で作成した立体姿図
さらに、同じメーカーの医療機器部門からX線のフィルムケースなど画像診断装置の製品加工も受注し、業態は徐々に拡大していった。
「医療機器関連に関しては、最盛期と比べると1/10 程度の仕事量になってしまいました。IT 化によってデジタル化が進み、フィルムが使われなくなったためです。そのかわりに、シュリンク包装機(コミック誌などのビニールフィルムによる簡易包装)の部品加工・アセンブリーの仕事なども10年くらい前から受注するようになり、なんとか仕事量を確保している状況です。ここ、5 〜 6年ほどで、引き物や抜き、曲げだけ、という仕事から組立してサブアッシー製品として付加価値のある仕事へと道筋をつけてきました」と齋藤社長は話す。

40年以上前から昇降機用部品の製作・アセンブリーを行う
Dr.ABE_Blank でネスティングデータを自動生成するDr.ABE_Blank でネスティングデータを自動生成する
同社の得意先は20社以上。定期的に取引しているのは約10社、そのうちの2 社で売上の多くを占める。特に昇降機用部品の製作・アセンブリーの比重が高い。
新規の得意先開拓の努力もあって、新規品の割合は30%となっている。受注データはほとんどが紙三面図。2次元CAD/CAM AP100で三面図から描き起こして展開を行い、設計変更も頻繁に入るためAP100 の立体姿図作成機能を活用して間違いのない展開図作成を行っている。
生産管理システムは「WILL 受注・出荷モジュール+M 」を導入しており、大手メーカーからの受注情報は、ほとんどEDI経由で自動登録され、活用する。
「昇降機はあまりモデルチェンジはありません。CADがない頃に描いた昇降機の商用図は現在も三面図ですから、受注図面も三面図になってしまいます。3次元データや2次元データ(DXF)で支給してもらうことができれば、即座に展開に移れるため、プログラム工程の作業時間は90%近く削減することも可能になります。展開の効率性を考えると、三面図とCAD データでは雲泥の差があるのは間違いないですが、設計変更などに伴う修正は三面図に変更箇所を描かれてくるので、それを確認したほうが間違えない場合もあります」。...

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