〜北陸3県 ― 特徴ある企業のサバイバル経営術〜

「めざすはアジアNo.1」 シュリンク包装機のトップメーカー
省力化によるコスト削減を図り、ジャパン品質で勝負をかける

株式会社ハナガタ



ジャパン品質で勝負
代表取締役社長の花方 淳氏。壁には3代にわたる経営で黄綬褒章をはじめ、各方面 から贈られた賞状・感謝状が所狭しと並ぶ代表取締役社長の花方 淳氏。壁には3代にわたる経営で黄綬褒章をはじめ、各方面 から贈られた賞状・感謝状が所狭しと並ぶ
「中小メーカーとはいえ、日頃からグローバル競争を意識しています。海外メーカーと競争するためには、技術力もさることながら、コストダウンが大きな課題となります。いかに人手を減らしながら、質の高い製品を早く、安くつくるか、これが今後ますます大きなテーマになっていくでしょう」と花方あつし社長は語る。
「海外生産は今のところ考えていません。日本で質の良い製品を安くつくっていれば、円高で多少の価格差が生じても十分勝負できると考えています。現在の1ドル76円台という円高水準は異常ですが、この状況が今後もずっと続くとは想定していません。当社のような中小メーカーが海外生産を立ち上げるまでの時間・コスト・手間・人材の手当てを考えると、安易に海外進出を決断することもできません。まずは日本で早く安くつくる手段を講じつつ、ジャパン品質で勝負する考えです」。

シュリンク包装機のトップメーカー
今年3月に導入した工程統合マシンLC-2012C1NT+AS-2512C1が省力化に貢献今年3月に導入した工程統合マシンLC-2012C1NT+AS-2512C1が省力化に貢献
(株)ハナガタは、シュリンク包装機の専業メーカーにして国内シェアNo.1のトップメーカー。自動L型包装機、シュリンクトンネル、静電シール包装機などの製品を手がけている。
シュリンク包装は、熱収縮性のプラスチックフィルム(シュリンクフィルム)で商品をラフに包んでヒートシールするシュリンク包装機と、その後、加熱してフィルムを収縮させ、商品にフィットさせるシュリンクトンネルとで構成される。包装するアイテムは、食品・医薬品・化粧品・工業製品・住宅建材など多岐にわたり、身の回りのさまざまな製品のエコな包装に使用されている。
同社は1948年、板金・プレス・切削加工のサプライヤーとして創業したのち、板金加工に比重を移していった。1963年にフィルムメーカーと共同開発したシュリンクトンネルの販売を開始したのがメーカーとしてのスタートで、1981年に世界初の全自動L型自動包装機「HP-10型」を開発してから、専業メーカーとして一本立ちした。
現在ではシュリンク包装機で国内シェア60%以上と過半を占めているだけでなく国内3カ所と中国・上海にショールームをもち、米国・欧州・中国・韓国・台湾・タイなどにも販路をもつ。
「中国市場向けに展開しているのは、太陽光発電パネルで使用するシリコンウエハの集積包装を行う静電シール包装機がメインです。この分野では現在、当社の製品が中国での業界標準ともいえ、“ハナガタ”のブランドが定着してきています」(花方社長)というように、海外シェアも伸ばしてきており、売上に占める海外比率は30〜40%となっている。...

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