そこが聞きたい - 税の話

租税条約とは

税理士 毛塚勝貴



1. 国際的二重課税の発生
税金の種類、課税範囲、税率等に共通する考え方が一つあります。自国の法人・個人については、国外で生じた所得についても課税するということ。その一方、外国の法人・個人が獲得した所得については、我が国の領土内で生じたものだから、その課税権は当然、自国にあるという考えです。

2. 租税条約とは
租税条約とは、(1)国際的な二重課税の調整、(2)脱税および租税回避、(3)投資・経済交流の促進を目的とした二国間での共通的な課税ルールの合意です。条約の締結によって、両国の納税者は国家間で生じる国際的な二重課税を被ることなく、投資・経済活動の遂行が可能となります。現在、わが国は48条約、59カ国・地域(平成23年6月末現在)と租税条約を締結しています。...

つづきは本誌2011年10月号でご購読下さい。