〜自動化が進む中国の板金事情〜

風力発電機の世界的企業から年間1万台の盤を受注
5年以内に日本の板金トップと並ぶ企業に発展させる

三河燕郊欧伏电气 有限公司



三河燕郊欧伏电气有限公司(前身は北京欧伏電気設備有限公司)は、再生可能エネルギーである風力発電や太陽光発電、スマートグリッドの分野で要求される受配電設備、産業自動化装置などの開発・製造と販売を主な活動とする先端技術企業。板金事業部、電気事業部、特殊リアクトル事業部をもつ。板金事業部は、キャビネット、制御盤などの板金筐体の製造を行い、1998年に創業されて以来、受配電設備用キャビネット、産業自動化装置用キャビネットの事業を展開してきた。

風力発電機トップメーカー、金風科技との出会い
董事長兼総裁の陈红卫氏(左)と板金事業部総経理の顾乃祥氏(右)董事長兼総裁の陈红卫氏(左)と板金事業部総経理の顾乃祥氏(右)
創業当初はシーメンス、ABBなど欧州系の受配電設備メーカー向けに低圧の受配電設備のキャビネットを製造していた。
2004年からは中国第2位(世界第4位)の風力発電装置メーカーである金風科技と取引を開始し、その規模は年々拡大している。2009年には風力発電向けに1万台の受配電設備・制御盤用キャビネットを受注した。そこで同社は、北京東部にある燕郊国家高新技术产业开发区(燕郊国立ハイテク産業開発区)に土地を求め、新工場の建設を計画、昨年10月15日に第1期工事で7,000m2の板金加工・溶接・塗装・組立までの一貫工場を竣工した。
筐体板金工場の完成でキャビネットの製造能力は1日あたり最大80台、年間2 万4,000台の体制を確立した。2012年には第2期工事に着手、板金以外の2つの事業部も新工場へ移転し、生産能力をさらに増強する計画である。

アマダとの出会い
稼働サポートシステムvFactory稼働サポートシステムvFactory
陈红卫董事長はアマダとの出会いについて次のように語っている。
「2004年に板金部門を設立したとき、企業戦略として、世界のトップ500位以内の企業と中国国内のトップクラスの企業をターゲットとする方針を打ち出しました。市場での競争力を高め、製品の品質を保証するために、先進的な設備を採用していくことを決めました。設備を検討する際、様々なメーカー・商社と交渉しているうちに、北京アマダの担当者と知り合いました。アマダのプロフェッショナルな仕事とマシンの性能は当社を十分に満足させるものでした。また、アマダの『お客さまと共に発展する』という企業理念にも感銘を受けました。アマダとのパイプを太くしたいと考え、最初にパンチングマシンARIES-255、ベンディングマシンRG-100 EVUを導入しました」。
「2006年、アマダ創業60周年記念展示会に招待してもらい、アマダ・ソリューションセンター(神奈川県伊勢原市)を訪問、業種・企業規模に応じて3つの工場を丸ごと提案している展示に驚きました。いずれの工場もデジタル化され、事務所で作成した加工データがブランクや曲げ工程にネットワーク作業指示書を読み込むだけで生産ができる。さらに、設備の稼働状況をリアルタイムに把握する稼働サポートシステムvFactoryにも興味がわきました。特に関心を持ったのが自動倉庫MARSを使ったマテハンの自動化でした」。
「2009年以降、金風科技から毎年1万台以上の大型発注のオファーを受け、新工場建設の全体計画をアマダに相談したいと考えて、2009年5月に再びアマダ・ソリューションセンターを訪れました。その際、板金工場のデジタル管理と統合生産ライン構築についての方針を策定し、9月に設備導入の一括契約を締結しました」。
「新工場の建屋が完成した2010年3月から設備を逐次導入し、10月15日に竣工式を執り行いました。アマダとは、2015年までの5年間、パートナーユーザー契約を締結し、相互が協力し合う関係を構築しました」。...

つづきは本誌2011年9月号でご購読下さい。