〜SHEET NOW〜

「ウイルスセーフサービス」でウイルス感染を予防
ファイバーレーザ溶接ロボットシステムによる高品位溶接・加工領域拡大で差別化を図る

株式会社 安秀工業



セキュリティ管理の危機感
代表取締役 安達秀男氏代表取締役 安達秀男氏
「当社のネットワーク環境はパソコン(以下、PC)だけだと38台、加工マシンも含めれば40台以上の端末がネットワークに接続していることになります」と製造部部長の安達信行氏は語る。
「当社は1999年に2次元CAD/CAM AP100とFBDV-1253NTを導入して以来、生産管理からプログラム工程、ブランク・曲げ工程と、あらゆる工程でデジタル化・ネットワーク化を推進してきました。しかし、会社の成長に合わせ、必要に応じてPCも増設・更新していくと、管理が煩雑になってしまい、コンピュータウイルス(以下、ウイルス)対策やセキュリティ管理についても十分に対応できていなかったというのが実態でした」。

国内4拠点、海外1拠点デジタル化・ネットワーク化を推進
得意先から3次元の図面データを受け取ったときはSheetWorksで3次元展開を行う得意先から3次元の図面データを受け取ったときはSheetWorksで3次元展開を行う
(株)安秀工業は、OA機器・FA機器・情報通信機器・計測機器・医療機器などの筐体・機構部品をメインに、精密板金加工・プレス加工・溶接組立を手がけている。
茨城県内に本社工場(筑西市)、真壁工場(桜川市真壁町)、五所工場(筑西市)の3つの拠点をもち、1992年には会津工場(福島県河沼郡)を設立、2002年には中国にも進出し、江陰安秀工業有限公司(江蘇省)を設立している。従業員数は茨城県内の3拠点で約140名、会津工場が約30名、中国工場が約90名――国内4拠点、海外1拠点を合計したグループ全体の従業員数は約260名となる。
今年3月には、本社工場の生産設備を五所工場へと移設。現在は五所工場が主力工場となっている。
パンチ・レーザ複合マシンEML-3510NT。材料棚、PDC(金型自動交換装置)、TK付きで自動運転に対応するパンチ・レーザ複合マシンEML-3510NT。材料棚、PDC(金型自動交換装置)、TK付きで自動運転に対応する
板金加工設備だけでなく最大200トンのプレスマシン、ワイヤ放電加工機、マシニングセンタなどを設備しており、板厚0.1mmの薄板から形鋼の加工、治具の製作まで、フレキシブルに対応する。また、溶接工程にはMIG、TIG、YAGレーザ溶接機のほか、今年に入ってからはファイバーレーザ溶接ロボットシステムを導入し、高効率・高品位な溶接組立に対応することで他社との差別化を図っている。
同社がデジタル化・ネットワーク化に本格的に着手したのは1999年。AP100とFBDV-1253NTを導入したのを皮切りに、およそ1年置きに次々とネットワーク対応型の加工マシンを導入していった。2005年には生産管理システムWILL受注・出荷モジュール+Mを導入。2010年には曲げ加工データ作成全自動CAM Dr.ABE_Bendを導入して加工データ作成の外段取り化を図るとともに、3次元ソリッド板金CAD SheetWorksを導入し、将来的には受けCADとしてだけでなく、製造性確認や展開作業の主力としても活用していこうと考えている。...

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