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ファイバーレーザ溶接ロボットシステムをいち早く導入
溶接技術をコアコンピタンスに、ノウハウを蓄積し他社との差別化を図る

三光産業株式会社



携帯電話基地局向けをはじめ電源装置が60%を占める
代表取締役社長の堀 武美氏代表取締役社長の堀 武美氏
三光産業鰍ヘ、埼玉県入間郡越生町に3つの工場を持つ。本社工場では板金の全工程から組立・配線まで行い、第2工場では溶接専用ラインを3ライン持ち、第3工場では消火器と自社製品の組立・完成・出荷を行っている。
現在の売上構成は携帯電話基地局向けをはじめとする電源装置が売上の60%、消火器が10%、電気給湯器が10%、残りの20%はその他の製品と、自社開発製品であるバリ取り装置「バートル」「ハンドリング・バートル」などの製造・販売などとなっている。

電源装置の筐体に求められる機能
ファイバーレーザによる筐体の溶接サンプル。素材は左からステンレス、アルミ合金、ZAM材。ファイバーレーザによる筐体の溶接サンプル。素材は左からステンレス、アルミ合金、ZAM材。
売上の60%を占める電源装置は各種合わせて月間平均で1,000台以上を生産する。受注ロットは多くて30台、平均5〜10台。後工程が引き取った台数だけ前工程が生産するプル型生産方式を採用し、カンバンによるJIT生産を行ってきた。工程には複数の機種の異なる部品が流れるため、機種を構成する部品を取りそろえて次工程へ送り出すキット生産も行ってきた。主な得意先は大手電気メーカーで、携帯電話基地局向けの製品であれば、そこから通信事業者(キャリア)向けに納品される。
電源装置の70%は屋外設置用で、耐候性と防錆性が求められるため、筐体の材料はステンレス材を用い、屋外仕様の表面塗装を施すことが多い。また、水漏れを防ぐためには筐体の気密性が重視され、扉部分に使用されるゴム製パッキンとの密着性を保持するには筐体の組立精度、特に溶接歪みの低減が求められる。
筐体は自社で加工する板金部品が60点内外で、それに蝶番などの購入部品が数十点加わるため、全体では100点前後の部品で構成される。水漏れなどに影響する部分では、構成する部品1点1点の精度と、溶接歪みに対する対策が必要となる。...

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