〜モノづくりはヒトづくり〜

大学卒業後にアマダスクールの板金総合コースを受講
板金工程の全体像をつかみ、事業継承者としての意思を強くする

株式会社トーエイ 田中 祐樹さん



大学卒業直後に板金総合コースを受講
田中祐樹さん田中祐樹さん
「子供の頃から工場には時々出入りしていましたが、仕事の内容はよく理解していませんでした。高校生になっても“板金屋”という言葉を知っているだけで、『鉄板を切っているらしい』という程度の理解が精一杯でした」。
田中祐樹さんは昨年3月に新潟工科大の情報電子工学科を卒業したばかりの23歳。大学卒業後は、父親である田中栄策社長が経営する(株)トーエイの事業を継承するため、職業訓練法人アマダスクールが開催する事業継承者を対象とした6カ月間(約112日間)の板金加工総合コース「板金総合(6カ月)」(以下、板金総合コース)を受講した。

SheetWorks で作成した神輿(みこし)の3 次元モデル。SheetWorksで作成した神輿(みこし)の3次元モデル。長岡大花火大会(8月1〜3日開催)でお披露目の予定
この講座は、基礎・応用・実践から構成され、板金図面の読み方、最新のマシン・ソフトでの実加工、安全教育などのカリキュラムが含まれる。また、常にモノづくりの最新情報や業界動向を把握する必要のある立場として、最先端の企業や公共展を見学し、異業種モノづくり体験なども組み込んでいる。期間中は全寮制の集団合宿生活を送り、社会人としての行動規範を身につけるとともに、対人関係のコミュニケーション能力も醸成する絶好の機会となっている。
祐樹さんに板金総合コースの受講を勧めた田中栄策社長は「アマダスクールの取り組みについては以前から知っていました。ほとんどゼロの状態から板金工場の業務を学ぶには、アマダスクールが教えるベーシックで、スタンダードな基礎から身につけるのが後々のためになると考えました」と語っている。

技術力の高さを武器に工作機械カバーなどを手がける
今年2 月に導入したばかりのパンチ・レーザ複合マシンEML-3610NT今年2月に導入したばかりのパンチ・レーザ複合マシンEML-3610NT
同社は横中ぐりフライス盤などの工作機械カバー、搬送機器、FPD・太陽光発電パネルの製造装置関連を主に手がけている。得意先の数は計50社超。そのうち40社前後から定期的に受注している。
月間のオーダー数は2,000件前後。部品点数は5,000〜6,000点、ロットは多いもので数十個になるが、大きいものは基本的にロット2〜3個で、多品種少量生産となっている。
取り扱う鋼種はSPHC、SPCC、ZAM材、SUS、アルミなど多岐にわたる。板厚は最も薄いものでバネ材の5/100mm。鉄は19mmまで、SUSは12mmまでを常用在庫として持つ。使用比率で見ると鉄が約70%、SUSが約30%。アルミも少しずつだが増え始めている。 ...

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