〜中国・若い会社が急成長〜

8年で従業員1,300人の中堅企業へ成長
鉄道車両用機器の欧州トップ企業から受注し業容拡大

常州市偉泰ウェイタイ電子科技有限公司(WELL-TECH)



日系企業で9年間勤めた後、会社設立
张新联名誉董事長。背後の壁には「厚徳」という座名誉董事長。背後の壁には「厚徳」という座右の銘の額が掲げられている
チャンシンリェン董事長は、大学卒業後に中国の国営企業に配属された。その1年後に大手情報通信メーカーのサプライヤーである日本の中小製造企業に業務の一環として研修に行った。
「大学の専攻は生産技術で、日本の製造技術の高さはよく知っていました。研修期間中は、日本のハイエンドな設備や効率的な生産方法を知ることができ、大変勉強になりました。研修後中国に帰国し、日系の建設機械メーカーに入社しました。その会社では、生産管理担当、業務課長、購買部長、2000年には副総経理と、9年間で色々な仕事と役職を経験してきました。そして、退職後の2003年に当社を設立しました。会社設立の意志は日本での研修中に固まりました。2002年には、起業に向けて簡単なフィジビリティスタディを検討していました」。

ベストブランドであるアマダ製のマシンを最初に導入
本社工場のパンチング加工ライン。通路をはさんで曲げ工程本社工場のパンチング加工ライン。通路をはさんで曲げ工程
2003年、董事長を含む5人の出資者により、150万元の資本で同社を設立。設立場所は、都市部の開発区。最初に導入した加工設備は、アマダ製のパンチングマシンVIPROS-2510C。
「設備投資にあたって、出資者の1人は『国産のマシンを導入しよう』と提案していましたが、最終的にはベストブランドであるアマダ製のマシンを導入することに決定しました。アマダ側が1年分割払いでの対応に快く応じてくれた点も、当社にとっては大きなポイントでした。また、設立場所としては、土地代などが安い郊外も候補に挙がりましたが、外部環境が良く訪問客も訪れやすいというメリットを重視して、都市部の開発区に決定しました」(董事長)。

板金加工業を選んだ理由
無錫工場の中の板金加工設備無錫工場の中の板金加工設備
董事長は自身について「私は事務所で仕事をするよりも、常に現場と向き合っていたいと考える人間です。モノづくりが好きなのです」と評する。
そのような董事長が、機械加工など多くあるモノづくりの中から、板金加工業を選んだポイントは、「当時、板金加工製品といえば海外からの輸入品がほとんどでした。また、蘇州・常州周辺の板金加工企業を調査したのですが、高品質の製品を生産する企業はほとんどありませんでした。これらを勘案すると、高品質の板金加工ができる企業を設立すれば、仕事に困らない安定した事業になる。そう考えて板金加工業を起業しました」と語り、モノづくりが好きというだけでなく、経営者としての客観的な判断に基づく決断だったことが分かる。...

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