〜中小製造業にも導入が始まったBCP/BCM〜

緊急時、筺体製品の納期遅れを起こさないためにBCP策定
7日以内に迅速な復旧を図る

株式会社 佐藤電機製作所



「平成22年度 東京都BCP策定支援事業」を活用
代表取締役社長の佐藤喜行氏代表取締役社長の佐藤喜行氏
「以前より、会社と従業員を守る取り組みはしていましたし、BCPへの関心は持っていました。日本政策金融公庫主催のBCPに関する講演会で話を聞いたことで、導入意欲が一気に高まりました」と佐藤喜行社長。
子息である佐藤薫宏常務も「社長からは、日ごろからBCPのことを聞いていましたし、当社は東海沖地震の被害範囲に含まれているので、私の方でも色々と調べていました。そんな折、東京都で行われている『平成22年度東京都BCP策定支援事業』を知り、応募しました。応募後に面談があり、選考が行われました。策定完了期間は2カ月でしたので、コンサルタントの方と、本社(東京都三鷹市)メインで全5回打ち合わせを行い、BCPを策定しました」。
「BCP策定には、人手・費用・時間がかかりますし、何年もかけてつくりあげるのでは意味がないと考えていましたので、定められた2カ月という期間、トップダウンで一気につくりあげました」(佐藤社長)。

得意先の発注先変更を防ぐため復旧期間は7日間に設定
工程統合マシンLC-2012C1NT+MP-2512C1工程統合マシンLC-2012C1NT+MP-2512C1
「緊急時、当社の看板商品である筺体製品の納期遅れを起こさないことが今回のBCP策定の大きな目的です。復旧期間は7日間に設定し、緊急時の対策マニュアルを考えていきました。山梨工場外観7日以上ですと、得意先が発注先を変更するおそれがあると考えたからです。まず、策定に先駆けて、当社の仕入れ企業、協力企業、設備納入業者などを綿密に調べることから始めました。この調査をしっかりしておかないと、緊急時の機械のメンテナンス、原材料の代替調達、外注でお願いする代替生産先などの対応プランが見えてきません。そのうえで、協力してもらえる企業に相談して了解をいただいています。その後、両社の対応窓口、具体的な対応方法、緊急時の人材の運用などを策定していきました。アマダの設備メンテに関しても、設備が被災した場合の復旧作業を誰が依頼するかなど、職務分掌を明確にしました。併せて、社内連絡網や避難場所・経路もリスト化して、携帯用BCPカードを作成し、全従業員に携帯させています」(佐藤社長)。
「緊急時には、協力先の工場・設備を借りて対応していくことになりますが、その際に2次元CAD/CAMAP100のデータを転送して活用することができます。ですので、協力先の選定には同社と同じような設備がある企業を選定しました」(佐藤常務)。...

つづきは本誌2011年7月号でご購読下さい。