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「SDDサポートサービス」の導入で工場の稼働停止を防ぐ
多品種少量生産に受注情報・加工情報の“データ化”で対応

株式会社 屋代製作所



多品種少量生産に対応するため“データ化”を推進
代表取締役 安永 修代表取締役 屋代 勇
「他社との競争を避けるため、鉄からステンレス製品へとシフトしていきました」と屋代 勇社長は語る。
この言葉どおり、同社は現在、半導体製造装置・医療機器・食品機械といったステンレス製品の比率が高い業種の仕事をメインに手がけている。現在の得意先社数は約30社。そのうち定期的に受注しているのは半数の15社前後で、大手メーカー7社からの仕事が売上全体の90%ちかくを占めている。
月間のアイテム数が3,000〜4,000点と多い反面、平均ロットは10個以下。リピート率は50%と低く、新規品の割合が高いために、プログラム工程に負荷が集中している。
「今の時代は当たり前なのかもしれませんが、典型的な多品種少量生産です。設備もそれに適したものを増強してきました」と屋代社長は語っている。
多品種少量生産への対応として同社が採用してきたのが、生産管理システムの導入による受注データの効率的な管理、ネットワークをフルに活用した加工データの一元管理である。
今後はSheetWorksによる3次元設計にも対応していこうとしている今後はSheetWorksによる3次元設計にも対応していこうとしている
1997年、現在地へ移転する際に板金ネットワークサーバーASIS100PCLを導入して社内ネットワークを敷設。2001年には2次元CAD/CAM AP100、生産管理システムWILL受注・出荷モジュール+M、ネットワーク対応型ベンディングマシンFBD V -5020NTをほぼ同時に導入して、生産情報・加工情報を一元管理できるシステムを構築し、データを有効活用できる体制を整えた。
それ以降、2005年にはパンチングマシンEM-2510NTをマニプレータ付きで導入して自動倉庫MARS(10段4列)と連動させ、ベンディングマシンもFBD V-8025NT(2005年)、HDS-5020NT(2007年)、HDS-1303NT(2010年)と次々に導入。データとネットワークを最大限に活かして、多品種少量生産に対応できる工場を築いていった。

ウイルス感染の疑いからサーバーの一時停止を体験
2台のYAGレーザ溶接ロボットを設備。1台はロボットを軌道上にセットして移動、長尺製品にも対応する2台のYAGレーザ溶接ロボットを設備。1台はロボットを軌道上にセットして移動、長尺製品にも対応する
データの利用度が増したことで、今度は万が一データを失った場合のリスク対策が課題として浮上した。
管理部部長を兼務する降矢義美 執行役員は「加工データが集約するSDDのデータは、2006年頃からバックアップを取るようになりました」と語っている。
「2005年頃、当社のサーバーにコンピュータウイルスが侵入した疑いが見られたために、大事を取って2〜3日の間、電源とネットワークを停止し、業者を呼んで全面的にサーバー内のクリーニングを行う、という出来事がありました。大事に至らなかったのはよかったのですが、2〜3日という限られた期間とはいえ、サーバーを止めたことで工場を停止せざるを得なかったことが大きな課題として残りました。...

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