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世界初のパネル製造全自動ラインロボットシステムを導入
完全自動化を確立し、業務の効率化、自社の独自性を高める

株式会社 新光工業所



メインを自動車塗装ライン設備へ移行し板金加工に転換
左から取締役工場長の寺田賢一氏、代表取締役社長の野口典明氏、取締役工事統括部長の橋爪勝氏。工場のエントランスで左から取締役工場長の寺田賢一氏、代表取締役社長の野口典明氏、取締役工事統括部長の橋爪勝氏。工場のエントランスで
同社の創業は1957年。当初は紡績工場・ビルの冷暖房用風導管関係の仕事をしていたが、1966年、得意先メーカーの業種拡大による自動車塗装ライン設備の仕事がきっかけで板金加工に転換する。
野口典明社長は、1978年に同社に入社して塗装ラインの設計や現場を経験し、1993年に代表取締役に就任。「製作物が大型したのと、工場の老朽化・狭隘化への対応、耐震性確保のため、2006年から工場の新設を計画していました。ただ、2008年のリーマンショックの影響で周囲の状況が大きく変わったので、工事着工まで1 年ほど延長せざるを得ませんでした。2010年に完成した工場外観はシルバーとし、赤と黒をアクセントに配置しました。アマダ製のマシンを多く導入していることもあり、デザイナーとの意見も一致して、内外観の統一を図りました」と野口社長が語るように、取材に訪れた日はシルバーの外壁に太陽の光が輝いていた。

塗装ラインで必要な材料調達・在庫管理の効率化を生産管理システムWILLに期待
パネル製造全自動ラインロボットシステムのブランク工程。EM-2510NT+搬送ラインパネル製造全自動ラインロボットシステムのブランク工程。EM-2510NT+搬送ライン
同社が手がける自動車塗装ラインは、金属製の長い管のようなカタチをしており、その管の長さ(ライン全長)はメーカーの車種によって最長2,000mにも及ぶことがある。ライン構成としては、前処理工程〜電着下塗工程〜中塗工程〜上塗工程〜検査ラインと続き、各装置も前処理装置・電着装置・塗装ブースは15m(H)× 6m(W)、焼付乾燥炉は4m(H)× 4m(W)と、大変大きな構造物となる。このような巨大な構造物であるにもかかわらず、高品質な塗装のためには、気密性や滑らかな内部表面仕上げといった繊細な設計施工が求められる。
塗装ラインの施工に必要なパネル加工用の材料は、鉄が年間約3,000トン、ステンレスが約500〜1,000トンとなり両方合わせると、毎月約300トンを扱う。割合で見ると、鉄が80%、ステンレスが20%。板厚は、0.8〜3.2mmの薄・中板を扱い、特に0.8〜1.6mmを多く使用する。それらを2〜3カ月かけて調達しながら、天板や側板など何百点にも及ぶ部材を製作する。
「1つの塗装ラインを受注すると、大体半年から1年というスパンで携わるので、材料の調達(欠品防止含む)、施工順番などの計画、進捗具合の確認はとても重要です。当社では工程表を作成した上で、日々現場で細かい調整をして対応してきたのですが、今年の2月にさらなる“見える化・効率化”のために生産管理システムWILL 受注・出荷モジュール+M(以下、WILL)を導入しました。しかし、当社で扱う製品の量・種類が多く、在庫引き当てから製品完成に至るまでのプロセス、抜き・曲げ工程やモジュール組立などと、作業工程や進捗確認が多岐に渡るため、WILL上で一連の流れをプログラムとしてつくりにくいという課題もあります。今は、アマダの営業所の方も尽力してくれているので、現在上がっている課題をクリアした時の効果に期待しています」(野口社長)。...

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