〜活況を取り戻した工作機械業界〜

誰にでもできるモノづくり体制を目指す
ネットワーク対応型マシンの導入による効率アップで原価低減を目指す

吉村工業 株式会社



代表取締役社長の吉村 崇氏代表取締役社長の吉村 崇氏
業績は2010年1月から回復基調
同社は1980年、現社長の父親が各務原かがみはら市で吉村工業(有)を設立し、やがて主要得意先の移転に伴い可児市へと移転した。2006年、現社長・吉村崇氏が代表取締役社長に就任。現在まで工作機械カバー、特にテレスコピックカバーなどをメインに板金加工業を行っている。
そのような同社は、20年以上の取引がある工作機械メーカー1社から、90%以上の仕事を受注しており、強い信頼関係を築きあげてきた。だが、2008年のリーマンショックによる民間設備投資の急激な落ち込みにより、深刻な影響を受けた。
「あの時は本当に厳しかった。2009年の売上は、前年に比べ大幅減となってしまいました。工場を稼働してはいましたが、従業員を交代で休ませたりして人件費を削減し、対応していました。2010年1月頃から受注が回復の兆しを見せ、夏頃からは、中国向けなど新興国市場向けの受注が急激に増えてきており、現在は休出・残業で納期対応しなければ間に合わなくなっています」と吉村社長。
同社の仕事の内訳は、テレスコピックカバー製作の仕事が60〜70%でメイン。残りが産業機械関連のカバー製作やフォークリフト関連の板金加工となっている。得意先がメーカーのため、通常のリピート受注だけでなく、JIMTOF(日本国際工作機械見本市)などの公共展に出展する出展機の試作依頼も多い。

WILL受注・出荷モジュール+M が大活躍
ベンディングマシンHDS-1703NT による曲げ加工ベンディングマシンHDS-1703NT による曲げ加工
テレスコカバーの製作はリピート率80%以上となっており、同社で製作する製品のQ,C,Dに対しては得意先からも高い評価を得ている。
「これだけのリピート受注をいただけることは大変ありがたいと思っています。ただ、裏を返せば、短納期生産に対応するためには、確定受注を待ってからでは希望納期への対応がかなり厳しい。短納期対応とムダのない生産計画を行うために、当初は自前で生産管理ソフトを開発することを計画しました。そんな時に、アマダさんの紹介でWILLと出会い、計画していたのと同じMicrosoft Accessベースのソフトということで導入を決めました。これで受発注・納期・出荷の管理を簡略化することができました」。
「一部の部品は安全在庫として、1カ月分以上確保しておきます。EDIを通して確定受注を受けると、WILLが在庫から引き当てを行い、安全在庫を割り込んでしまう場合は作業指示書を発行し、加工に着手します。初回に作成したプログラムを呼び出して作業手配を行います。あとは、その指示書を作業場へ持って行くだけです。...

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