〜活況を取り戻した工作機械業界〜

新興国需要で3年間は活況を見込む
複合マシンを含むレーザマシン3台で薄板から厚板まで幅広く対応

株式会社マルモ製作所



代表取締役社長の竹田敏宏氏代表取締役社長の竹田敏宏氏
プレスから板金へと本格シフト
同社は1964年頃に、先代社長が電機・自動車関係のプレス・製缶加工をメインに行う工場を始めた。その後、1978年に(有)マルモ製作所として法人登記、1980年代中頃に現在地の富士金属工業団地に移転し、工作機械カバーなどの仕事を手がけるようになった。
現社長の竹田敏宏氏は、学校卒業後の2年間他社で、マシニング加工、放電加工と金型製作全般を担当していた。その後、父親である先代社長が体調を崩したことをきっかけに家業の継承を決断、1995年に同社に入社した。
プレス加工のコストダウンが激しくなり、量産品の生産が海外シフトする動きが活発化し始めた頃で、板金加工への本格的なシフトを考え始めていた先代の意志を継ぎ、同社は板金加工主体へと舵を切っていった。

ピーク比80%まで回復
今年4月に導入したEML-3610NT(棚付き)。成形加工とレーザ加工を統合し、工数削減に貢献する今年4月に導入したEML-3610NT(棚付き)。成形加工とレーザ加工を統合し、工数削減に貢献する
現在の得意先は小口も含めると100社以上。そのうち主要5〜6社で、売上全体の80%以上を占める。
メインの業種は工作機械関連で、カバーやスプラッシュガード、操作パネルを支えるアームや内部のブラケット類を手がける。中でも大手工作機械メーカーの仕事が全体の30〜40%を占めている。
工作機械以外にも、立体駐車場関係のフレームや、医療機器関係も手がけ、薄板から厚板まで、小物から大物まで幅広く手がけている。
竹田敏宏社長は「リーマンショック後は苦しい思いをしましたが、2010年に入ってからは急速に業績が回復し、現在では売上ベースでピーク比80%程度にまで戻っています」と最近の業況を語る。
「2010年末くらいには、設計まで手がける1次サプライヤーとタイアップして、大手工作機械メーカー向けに小型マシニングセンタ(W1,000×D1,000×H1,500mm程度)300台分のスプラッシュガードや内部部品の仕事が入り、今年初頭にかけて超多忙な日々が続きました。現在は同じ仕向先で、もう少し大型の製品(W1,500×D1,500×H2,000mm程度)80台程度の引合いを受けているところです」。...

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