〜活況を取り戻した工作機械業界〜

高出力ファイバーレーザ溶接機で勝ち残りを賭ける
工作機械、半導体製造装置を軸に、自動化と加工範囲の拡大で積極展開

株式会社 難波製作所



代表取締役社長の難波 博氏代表取締役社長の難波 博氏
製缶・溶接から板金主体へ
「工作機械関連の仕事は海外への生産シフトにより仕事量自体が落ち込み気味です。さらに、日本に残った仕事も、基本的には海外向けで、グローバルコストに対抗するために、メーカーからのコストダウン要請が激しさを増しています」と創業社長である難波博氏は、同社を取り巻く環境の厳しさを語っている。
1973年の創業以来、同社は原動機、ガスタービン、タンカーなどから原油やLNGを陸揚げするローディング装置、各種プラント設備などの製缶・溶接業を主体に成長していった。
1980年代後半になってから、製缶・溶接主体から板金加工主体へとシフトしていき、工作機械・産業機械のカバー、架台、ブラケット類の板金加工から溶接・組立、焼付け塗装まで手がけるようになる。創業以来培ってきた溶接技術を活かし、構想図からのバラシ作業を一任されるなど、同社の技術力に対する得意先からの信頼は厚い。
1990年代に入ってからはFPD・半導体製造装置関連を手がけるようになり、2000年代には売上比率で工作機械を逆転するようになった。

工作機械は海外シフトが進む
AP100とSheetWorksによるバラシ・展開作業。得意先から構想図を受け取り、バラシから一任されているAP100とSheetWorksによるバラシ・展開作業。得意先から構想図を受け取り、バラシから一任されている
「現在、工作機械・産業機械関連は、ほとんどがアジア向けとなっています」と難波博社長は語る。
「大型・中型の仕事はまだ日本に残っていますが、当社が手がけてきたような小型工作機械は、生産拠点がアジアへと移されています。また、射出成形機を手がけている産業機械メーカーのお客さまは、これもやはりアジア向けが大半で、一物一価の法則でコストダウン要請がいっそう厳しくなっています。当社としては、コストダウン要請に対応する条件として、バラシ作業の軽減や、量をまとめてもらうといったことをお願いしています」。
FPD・半導体製造装置の比率が増すにしたがって、使用部材もステンレスの割合が増し、現在では鉄とステンレスの割合が同程度になっている。板厚は、コンマ台の薄板から、16mmの厚板まで対応するが、メインは鉄・ステンレスともに1.6〜3.2mmとなっている。数は少ないが、アルミ、チタン、真鍮といった非鉄・特殊材の加工にも対応している。 ...

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