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地産地消への対応から中国に進出
得意先とのWin-Win連携を強固に 自社の戦略はフレキシブルに実行

株式会社ヤスナガ



金融業務を経験し多角的な視点を持つ2代目社長
代表取締役 安永 修代表取締役 安永 修
創業当初、同社は農作業用の道具を製造していた。その後、金属加工業に転換し、1965年前後から海苔の乾燥機用の板金部品を加工するようになり、1970〜71年ごろからはコンクリート製橋脚の型枠製造も行うようになった。型枠を製造するようになってからは、ベンディングマシンによる曲げ加工が本格化していった。
1994年、安永修氏が2代目社長に就任。創業者である祖父から数えると3代目にあたる。安永社長は大学卒業後7年間、金融機関に勤め、財務会計の実務を学んだ後、1991年に同社へ入社し、シャーリングから抜き・曲げまでの加工全般と、パンチングマシンのプログラム作業を学んでいった。
安永社長は「モノづくりだけで世間知らずになってはいけないと考えたことと、銀行業務で学ぶ財務会計、特に財務諸表の見方、つくり方を勉強し、多角的な考え・視点を持つ仕事人になりたいと考えたからです」と語り、自らが目指す経営者像を見据えた上での選択であることが分かった。

2次元CAD/CAM AP100が大活躍 全体の80%超を占める新規品の図面を展開・割付
昨年11月に導入したパンチ・レーザ複合マシンEML-3610NT(棚およびTK付き)。2人で図面を確認しながら作業を行う昨年11月に導入したパンチ・レーザ複合マシンEML-3610NT(棚およびTK付き)。2人で図面を確認しながら作業を行う
コンクリート製橋脚の型枠製造をメインにしていた頃は4.5〜9mmの中板の高速切断を得意としていたが、バブル崩壊後にIT関連の受注が増え、2.3mm以下の薄板や、1.0mm、2.0mmといったステンレスの仕事も受注するようになった。それに加え、板厚25mmのSS材を幅5mmで切断し、R曲げにも対応するなど、着実に業容を拡大していった。加工材料はSS材をはじめ、アルミ、ステンレス、縞鋼板など幅広く対応している。
「当社はリピート率が10〜20%程度で、ほとんどが新規品。過去に作成したプログラムデータも同程度しか活用できませんから、受注図面から展開・CAM割付ができる2次元CAD/CAM AP100が大活躍しています。AP100で作成した展開図・立体姿図は、板金ネットワークサーバーASIS100PCL(SDD)に保存し、それを曲げ加工データ作成全自動CAM Dr.ABE_Bendがバッチ処理で読み取って、曲げCAMを自動生成するという自動化・省人化の流れを確立しているため、80%超を占める新規案件にも問題なく対応できています。もちろんデジタル化一辺倒ではなく、溶接など、熟練の技術を必要とする工程のスキルアップと技能継承にも力を入れています」。...

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