〜拡大が続く中国のアミューズメント市場〜

中国ゲーム機業界のリーダー
板金は60% 内製化、3次元CADを活用した設計・製造ソリューションの確立を目指す

広州リンジー電子科技有限公司/広州華立科技有限公司



設立から製造立ち上げまでの経緯
左から広州铃基電子科技の柳副総経理、華立科技の蘇董事長、広州铃基電子科技の太田董事長左から広州基電子科技の柳副総経理、華立科技の蘇董事長、広州基電子科技の太田董事長
同社の親会社である広州華立科技は1991年、蘇董事長により設立され、当初は日本や台湾からゲーム機を輸入し、中国で販売していた。1995年、取引先であった太田俊弘氏(香港で会社経営)と共に華立娯楽機械有限公司を設立し、1996年、1997年と輸入の大型ゲーム機の販売で拡大した。しかし、2000年、政府によるゲーム業界のライセンス規制により、半年間ほど仕事が何もない状況に陥る。多くの同業者がゲーム業界を去る中、蘇董事長は「これまで共に働いてきたスタッフやお客さまのために苦しい時こそ我慢が必要、必ずまた上向く」とチャンスを待った。
2002年からライセンス規制が緩和され、2003年に広州基電子科技有限公司を設立、太田俊弘氏が董事長に就任した。当初は従業員50名とプレス機数台。製造経験は皆無のため、得意先の要求に応えられず、ある得意先からは「もう製造はやめた方がよい」とまで言われた。とはいえ、日系メーカーの精度要求は厳しく、外部の板金加工業者からは敬遠されていたため、自社でやらざるを得ない状況だった。そこで、2004年にアマダのARIES-255NT、RG1003×2台を導入し、どのように品質を上げ、日系メーカーの精度要求に応えるか、毎日、製造スタッフと模索を続けた。
「当時、アマダ深の担当者には様々なアドバイスをもらった。他業界の板金工場の見学や当時の最新の加工技術を提案していただいた。とても感謝している」と太田俊弘董事長。
中国のゲーム業界では、大半のメーカーは自社で製造部門を持たないが、同社は一部の量産と品質の維持、試作品対応ができる体制となっている。

ゲーム機筐体や機構部品を製作
昨年導入されたベンディングマシンRGM II-1003が2台並ぶ昨年導入されたベンディングマシンRGM II-1003が2台並ぶ
工場建屋の総面積は1万2,000m2で、従業員数は210名(板金60名)。アマダ製の最新鋭の板金加工設備を導入して、抜き・曲げ・溶接作業を行い、ゲーム機筐体や機構部品を製作している。
同社で製作されたゲーム機筐体は塗装・表面処理が施された後、親会社の華立科技集団で組立作業を行い、ゲームソフトをインストール、ゲーム機として中国国内や日本、アジア諸国へ輸出される。
その際には、親会社である華立科技から発注される注文情報に従って、ERPを活用した生産管理システムで負荷の山積み・山崩しを行っている。...

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