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日本の持つ技術力により現地工場の生産技術が向上
ネットワーク化とISO遵守により業務拡大するフィリピン工場

株式会社 岡部二光製作所



研究員から経営者へ
会長 坂口 幸二会長 坂口 幸二
同社の創業者であり現会長でもある坂口幸二氏は、若い頃の自身の経験や同社が歩んで来た道のりなどについて、今昔を知る者ならではの貴重な話を聞かせてくれた。
「20〜30歳の頃(1940年代後半)、私は国鉄の技術研究所に7年間ほど勤めていました。今振り返ると、ここで学んだことや培った人脈が、その後の仕事に大きく影響しました。1953年、私が川口市に二光製作所を創業し、兄の指導を受けていました。そして、1955年、岡部町(現深谷市)に別会社として岡部二光製作所(当社)も創業しました。当時からお付き合いのある得意先とは、今でも良い関係を続けています。創業してから64年、様々なことを乗り越え、今では68名の従業員を擁するようになりました」と、懐かしそうに、また楽しそうに語る。

日本の本社工場は板金加工・金型製作・プレス加工に精通
2011年2月に導入した工程統合マシンLC-2012C1NT(フィリピン工場)2011年2月に導入した工程統合マシンLC-2012C1NT(フィリピン工場)
同社の事業は大きく分けて、板金加工、金型製作、プレス加工を柱としている。加工材料はSPCCやSUS430など。板厚は、微小部品向けに0.25〜1.6mmの薄板を扱い、精密加工を得意とする。板金加工は、抜き・曲げ・塗装・組立と一貫生産にも対応する。また、機械加工では板厚0.1mm台の微細な加工も得意としている。
「創業当初は、プレス金型の加工をしていましたが、得意先との兼ね合いで板金加工へと移っていきました。リピート率は電気部品メーカーからの仕事が高く、信号機のメーカーからの新規とリピート比率は均等です。当社は鉄道信号、交通信号などの製造に36年の実績がありますから、どのような要望にも応えていきます」と力強く語る。

JETROからの依頼でフィリピン進出
同社は、1994年にフィリピンに製造子会社を設立している。そのきっかけは取引メーカーの海外移転やコスト削減のためではない。
「1960年代の話になるのですが、当時知り合ったフィリピンと太いパイプを持つ商社の方に、2度ほどフィリピンに連れていってもらったこともあり、フィリピンの将来性に関心を持っていました。フィリピンの印象は、国にも人にも元気があるということと、勤勉な国民性を持っているということです。ですから、フィリピンは、がんばり甲斐のある土地柄だと思います」。...

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