〜SHEET NOW〜

アミューズメント施設の遊技台の供給で超多忙
最新の設備とともに社員の“気づき”を期待する

有限会社アイ. ディ. ステン



デザイン・設計を行うキタガワ工芸の製作会社アイ. ディ. ステン
北川久實雄社長(右)と井之坂 浩工場長(左)。同社の展示場にて北川久實雄社長(右)と井之坂 浩工場長(左)。同社の展示場にて
(有)アイ.ディ.ステン(以下、IDS)の発注元でもある(株)キタガワ工芸(社長・北川誠治氏)は、アミューズメント施設(パチンコホールなど)の島の装飾品の企画・設計・製作・施工を行う。創業は1977年、40年以上の歴史と実績がある。
同社が得意とする島飾り・幕板は、パチンコホールの玉補給を行う構造物の部品で島1列につき、遊技台が12〜25台収まる。構造は、支柱を立て、150mmのアンカーボルト止めを施し、2台のパチンコ台を1ユニットとする島が一般的。島は上から、幕板(一部、集塵機能が付く)・呼出ランプ板・機械収納スペース・天板(玉箱載せ台)・腰板・そして床と接する幅木ハバキとなっている。装飾に凝ると、1基50万〜100万円という価格になることもある。
キタガワ工芸の発注元である玉補給機メーカーは、全国をカバーし同社はその補給機メーカーが外に出す仕事の約80%を受注するほど。
補給機メーカーでは、Macの3次元グラフィックソフトを使ってデザインを行い、そのデータがキタガワ工芸に来る。キタガワ工芸が3次元CADアシュラベラムで施工図を作成し、IDSにDXFデータを流す。IDSではその施工図に基づいて加工する。キタガワ工芸のように自社で加工・施工まで対応する企業は少ない。

短納期に対応するため製造工程を内製化
ベンディングロボットシステムASTRO-100NTベンディングロボットシステムASTRO-100NT
IDSの北川久實雄社長は「以前から、パチンコ台などゲーム機関連の納期はとても短い。さらに、島飾りや幕板は、以前は木工部材で足りていたものが、年々トレンドが変化し、アクリル板から板金などへと変わってきました。当社がアクリル板や板金の加工を発注しようとしても『1週間程度の納期じゃ受けられない。うちの社員に残業させる気か』と、引き受けてくれるところがなく、大変困りました。そこで、『外に頼んでいたのでは間に合わない』と考え、キタガワ工芸の敷地内にIDSを創設し、私を含め、素人の4〜5人で板金工場を立ち上げました」と当時の差し迫った状況を話す。
設備については「それまで外注をお願いしていた板金工場と同じメーカーのシャーリング・レーザマシン・プレスブレーキなどをそろえました。アマダのマシンは1995年にセットプレスを導入し、それ以来、年々に入れ替えていきました。私は加工にはまったくの素人でしたので、新しいマシンが入ると社員には『これはどう使うのか』『どう使えばよりよい仕上がりになるのか』と聞き、アマダの担当者にも『これはどう使えばいいの?』と尋ねたりしました。アマダの担当者は素人の私にも、聞けば必ず解決方法や加工のノウハウを持ってきてくれ、社員にもマシンの扱い方などを伝授してもらいながら、試行錯誤でなんとか製品の仕上げ方にも慣れていきました。自分がマシンのことをまったく知らないので、時には社員に『なぜ、ここがこうならないの』『こうするにはどうしたらいいの』ときつく問うたこともあります」。...

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