〜SHEET NOW〜

第2東名「額田IC」開通で大きく変わるインフラに期待
「心意気でモノづくり」を掲げ、配電盤・通信機器関連で視界良好

有限会社 鈴木工業



「額田IC」開通で受注環境の変化が起こる?
EM-2510NT の前で鈴木信夫社長(左)と子息の鈴木貞晴工場長(右)EM-2510NT の前で鈴木信夫社長(左)と子息の鈴木貞晴工場長(右)
同社は今、大きく変わろうとしている。2014年に開通予定の第2東名・額田インターチェンジ(以下IC)が同社の近くに開所予定で、現在は大型クレーンなどが山を削り、太い高架橋が次々と姿を現している。このICが開通すれば、関東であろうと関西であろうと、物流面からは最適な条件が整う。そこで、現在は手狭になった工場をどうするか、思案中。道路沿の工場の土地は400坪、工場の建屋は300坪あるが、事業拡張にともなって道路沿いに次々と拡張した結果、現在は工場フロアのパスラインの高低差が1,800mmにもなり、製品や材料の横持ち作業にも不都合が生じるマテリアルフローとなっている。今後、環境がどう変化するか判断がつかないので「工場拡張は様子見だが、裏山を少しずつ造成しているところ」と、鈴木社長はネクタイをきっちりと締め穏やかに話し始める。

「どんなものでもやる」覚悟で若くして独立
vFactoryの写真vFactoryの写真
「愛知県の大手自動車部品メーカーの試作部門に勤めていたので、図面の展開はもちろん、曲げたり溶接したりはお手のものでした。数年して、どんなモノでもやれる自信がつき、退社。しばらくは兄が経営していた工場で働きましたが、兄が撤退したので土地や工場を兄からそのまま借り、最初は25トンのプレスブレーキからスタート。前の会社で外注として手伝ってもらっていた会社から、図面を展開する仕事や、曲げ・スポット溶接などの仕事をもらうようになりました。ユニパンチ、スポット溶接機などを買いそろえながら事業を広げ、家内や私以外の社員も7人くらいになりました。やがて、自動車部品、配電盤、ロボットシステムと、異なる3つの事業を展開している中堅企業から配電盤や自動車部品、一般板金の仕事をまわしてもらいコツコツとやってきました」と当時を回顧しながら話す。

通信基地局関連の筐体を大ロットで受注
「1996年頃には中部電力グループ関連の企業から通信機器関連の筐体の仕事を受注するようになりました。盤筐体の仕事も続いており、筐体製作では専門メーカーとして目されるようになりました。現在の顧客数は約20社。そのうち、通信機器・大手住宅用、移動体通信の基地局関係の筐体、各種トラックの荷台やバンパーなどの架装メーカー関連、農機具関連の4社で、売上の90%くらいを占めるようになりました。リーマンショック後は主力3社のうちの1社、通常は2,500〜3,000万円近くあったトラックの架装メーカーの仕事が一時的に1/5くらいまで下がり半年くらいは経営的にも非常に厳しかった。それでも社員には手はつけられないので、その間、各所の展示会などに出展したりして、異業種からの小さな仕事をも取り込み、今では売り上げも戻しつつあります」。...

つづきは本誌2011年5月号でご購読下さい。