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産業構造の変化に対応する
「諏訪圏工業メッセ」で実践“B to C”の可能性を模索

コジマ工業有限会社



諏訪圏工業メッセで「ものづくりワークショップ」
代表取締役社長の小島一昭氏代表取締役社長の小島一昭氏
「産業構造が根幹から変化する中、これからの製造業は“B to B”だけでなく、“B to C”のビジネスモデルを採り入れることも考えていく必要があります」と小島社長は強調する。
同社は昨年10月、長野県諏訪市で開催された第9回「諏訪圏工業メッセ」に出展。産学連携で「ものづくりワークショップ」を展開し、開催期間中の3日間に同時進行で行われた製品のデザインから製作までプロセスを記録し、パネルや映像を使って展示した。
このワークショップでは、京都大学・学術情報メディア センターの喜多はじめ教授のグループと、千葉工業大学・工学部の原田泰教授のグループ、2つのグループの教授・学生たちと製品デザインなどで連携。学生たちの手によるグラフィックデータや手描きのマンガから、3次元のモデリングデータを作成し、バラシ・展開を行った後、レーザマシンによる切断、曲げ、YAGレーザ溶接による接合を経て完成させるまでを共同で行った。
この展示をコーディネートしたのは、東京工業大学大学院・総合理工学研究科・知能システム科学専攻の出口弘教授。小島社長とは、10年以上にわたって公私の隔てなく交流を続けてきた。

グラフィックデータからCAD/CAMへ
マニプレータ付きで導入した工程統合マシンLC-2012C1NT+MP-2512C1マニプレータ付きで導入した工程統合マシンLC-2012C1NT+MP-2512C1
開催初日の朝、2つの学生グループから手渡された製品デザインは、Adobe Illustrator(以下、Illustrator)で作成されたグラフィックデータと、手描きのポンチ絵だった。
「手描きはもちろんですが、IllustratorもDXF形式での書き出しはできるものの、実際にはスムーズにCAD/CAMへ受け渡すことはできません。また、当社は基本的に板金加工しかできませんので、本来は切削で対応するような形状は、積層構造でつくることになりました。しかし2次元CADでは断面形状が出せないため、SolidWorksを借りて3次元モデルを作成し、そこからバラシ・展開を行っていきました」。
積層構造だけでなく、はめ合い構造で製作したモビールもあり、形状の材質・板厚が異なる製品サンプルも展示した。...

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