〜Event〜

活況を極める中国で開催されたMWCS 2010
激化する低価格競争に技術力で挑む日本



好調・中国のおひざ元で開催されたMWCS 2010
MWCS 会場の中国・上海新国際博覧センターMWCS 会場の中国・上海新国際博覧センター
2010年11月9〜13日の5日間、中国・上海の上海新国際博覧センターで、「中国国際金属加工見本市」(METAL WORKINGCNC&MACHINE TOOL SHOW/以下、MWCS)が開催された。
MWCS は、「中国国際工業博覧会」(CIIF)のひとつで、工業自動化展、エネルギー展と共催された。博覧会全体で7.8万m2の会場に800社以上の企業が出展し、来場者は約11 万人。そのうちMWCSは、全体の半分以上の4万m2を占め、板金加工・プレス加工・工作機械の関連企業約300社が出展した。
MWCSには中国内外から板金加工・プレス加工・工作機械などの企業約300社が出展MWCSには中国内外から板金加工・プレス加工・工作機械などの企業約300社が出展
好調な中国経済を反映して、大手メーカーがこぞって出展。日本のアマダ、村田機械、ヤマザキマザック、三菱電機、欧州のトルンプ、ビストロニックといった大手外資メーカーに加えて、地元・中国メーカーの江蘇金方圓(JFY)や大族激光科技(HAN'S Laser)、台湾の台励福集団(Tailift)など、内外のメーカーが一堂に会した。
2011年から第12次5カ年計画がスタートする中国は、インフラ整備に資本が大量投入され、消費市場も拡大を続けている。金融危機以前の外需依存型から内需拡大へと経済構造の転換が図られており、MWCSは拡大する中国市場への各社の意気込みを肌で感じられる内容となった。

中国の金属加工業は人海戦術で大量生産
アマダは、ボリュームゾーン向けのミドルレンジマシンからハイエンドマシンまで幅広く出展アマダは、ボリュームゾーン向けのミドルレンジマシンからハイエンドマシンまで幅広く出展
多品種少量・変種変量生産が進む先進国と異なり、現在の中国は少品種・大ロットの大量生産が中心。好調な分野へ積極的に新規参入する国民性も相まって、低価格の単体機を複数台設置し、作業者を大量動員して稼働率を上げる傾向が強い。
MWCS全体を見ても、加工技術の高さよりも、大量生産時に安定して長時間稼働できる低価格機がボリュームゾーンであることがわかる。多くのメーカーが「低価格」「故障率の低さ」を謳い、また「高速」「低ランニングコスト」をアピールした。...

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