〜ドイツ経済の好調に支えられるEuroBLECH2010〜

EuroBLECH2010に来場した日本の板金サプライヤーの反応
規模の大きさ、板金業界の認知度の高さに驚き



ドイツのファロ社からもベンディングロボットシステムが出展されたドイツのファロ社からもベンディングロボットシステムが出展された
その反面、来場者数は6万1,300人と前回の6万9,400人を12%下回り、設備の導入を検討するユーザー層の中には、EuroBLECHにまで出向いて設備投資を検討するだけの余裕がなかった可能性も伺われる。
しかし、ドイツを除く国外からの来場者数の割合は39.9%と前回を上回った。とりわけ新興諸国から最新の設備購入を目的に多くの来場者が訪れ、このあたりにも新興国が景気回復をリードする現在のトレンドが顕著に表れていた。
EuroBLECHでは、出展する日本メーカーが「EuroBLECH視察ツアー」を企画し、会場に訪れる日本からの来場者も目立っている。今回も日本から60社余りの板金サプライヤーが視察ツアーで会場を訪れ、また、単独の視察者も数十社あって、合計すれば100人前後のコーナーが日本から来場したことになる。
出展者数でドイツ・イタリアに次ぐ3位となったトルコからは多くの板金機械メーカーが出展した。ディナー社のベンディングマシンは米国では三菱商事の子会社MCMS社が一手代理店として取り扱うことを発表。エントリーモデルではトルコ製の加工マシンも競争力を増している出展者数でドイツ・イタリアに次ぐ3位となったトルコからは多くの板金機械メーカーが出展した。ディナー社のベンディングマシンは米国では三菱商事の子会社MCMS社が一手代理店として取り扱うことを発表。エントリーモデルではトルコ製の加工マシンも競争力を増している
そこで、小誌ではEuroBLECH会場に来場した日本の板金サプライヤーに来場の目的や得られた成果などについて話を聞いた。いずれの方々も1,455社に及ぶ出展者の多さに驚くとともに、薄板から中・厚板、パイプ、コラム、チューブまで広範囲の加工機械やシステム、工具、周辺装置、ソフトなどが出展されていることで、ヨーロッパにおける板金産業の隆盛を目のあたりにし、サポートインダストリーである板金への産業界の期待の大きさを実感した様子だった。さらに、ユーロ安と中国など新興国向けの輸出増大で1992年以来の経済成長となり、フル生産が続くドイツ板金業界の現状を、円高と海外への生産移転で先行きへの不安が増す日本の現状を重ね合わせ、新たな考えを持った方も多かった。
以下、一部ではあるが、会場で聞いた日本からの来場者のコメントを要約して紹介する。...

つづきは本誌2011年1月号でご購読下さい。