〜2011年の板金業界はどこへ向かう?〜

今が正念場!市場の変化に挑戦する諏訪地域の精密板金業者
9回目を迎えた「諏訪圏工業メッセ」



ビジネスマッチングに期待
諏訪圏工業メッセ2010
諏訪地方の産業技術が一堂に結集する「諏訪圏工業メッセ2010」が10月14日から16日までの3日間、長野県諏訪市で開催された。出展社の多くは、精密機械工業のメッカ・諏訪地区の中小製造業者である。
多くの業者が大手メーカーの生産拠点の海外流出による仕事量の激減や、円高に苦しんでいるだけに、「ビジネスマッチングを不況脱出の起爆剤に」と積極的な活動を行った。長野県内の板金加工業者も出展しており、その多くが「昨年もここで新規取引先を開拓できたが、今回も数件の引合いを受けた」(共栄工業㈱)と手応えを感じていた。
これらの企業のブースでは、自社製品・部品・ミニチュアモデルを展示して、加工技術をPRしている。プレス加工並みに高精度な指先・掌サイズの加工サンプルや、機械加工・ヘラ絞り加工・プレス加工などの複合加工のサンプル、ステンレス材料など非鉄系の材料を低歪みのYAGレーザ溶接で接合したサンプルなどが展示され、来場者の注目を集めた。

異業種交流に活路を見い出す
平出精密は厚さ8o、XYストローク20oのXYテーブルを出展し注目された平出精密は厚さ8o、XYストローク20oのXYテーブルを出展し注目された
同メッセは、異業種の企業が連携して製品開発や受注をコーディネートすることで、1社の加工技術では受注が困難な仕事の受け皿の構築を 目指す動きが目立っていた。
㈱平出精密の平出正彦社長は、「モノづくりが中国やアジアにシフトする中で、『日本のモノづくりをどうす るのか』が問われています。環境問題への対応や地域社会との関わり方も今の課題です。その解決策の1つとして、マイクロマシン、マイクロファクトリー、そして“デスクトップファクトリー(DTF)”に注目しています。近い将来、DTFによる小さな設備で小さな製品を短納期・低コストに生産、しかも変種変量生産・適地生産に対応し、最適な場所で生産するといったことが実現します。そこで、諏訪の企業や研究機関がDTF研究会を発足し、今回はそれぞれの企業の持ち味を活かした『フレンドシップライン』を出展しました」と語っている。...

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