〜コモディティ化が進む工作機械〜

ロボットコントローラ用キャビネットを月間2,000台生産
月間720時間稼働を目指し33台のロボットが活躍する板金工場

ファナック株式会社



同社の現状
向かって左側のライン。中央に自動倉庫が並び、手前にブランク・曲げ工程、奥に溶接・塗装工程が並ぶ向かって左側のライン。中央に自動倉庫が並び、手前にブランク・曲げ工程、奥に溶接・塗装工程が並ぶ
同社の平成21年度の売上高はリーマンショックの影響で前期比34.7%減の2,533億円となった。しかし、21年度第3四半期をボトムにして、中国を中心とする新興市場などの外需が回復したのを皮切りに各事業の業績が回復、21年度第4四半期、22年度第1四半期と売上高は改善している。そうした中で同社が今後の事業・収益の柱として力を注いでいるのがロボット事業。21年度の売上構成では29.0%を占め、減少幅は31.2%と、前年同期比で41.2%の落ち込みとなったFA事業に比べて減少幅を少なくすることができた。

収益の柱、ロボット部門
ロボットによる曲げ加工はマシンごとに金型を決め、段取り工数ゼロを実現。マシン上部テーブルにはつかみ替え用のグリッパーが備え付けられているロボットによる曲げ加工はマシンごとに金型を決め、段取り工数ゼロを実現。マシン上部テーブルにはつかみ替え用のグリッパーが備え付けられている
世界的な景気後退で自動車産業向けの大型ロボットの受注は減少したが、人手による作業を置き換えることが可能な小型ロボットが生産自動化のニーズによってロボット事業の下支えとなった。また、今後は中国などの新興市場開拓でも人件費の抑制を目的としたロボットの潜在需要が高まると見ている。そこで、同社では人間と同じラインで、安全に作業させることができたり高速で作業できたりするロボットの開発に力を注いでいる。また、ロボットの主要な構成部材であるロボットコントローラのキャビネット(筐体)の供給体制を増強するために、キャビネットを製造する板金工場に第2工場を増築、年末までに稼働を開始する。...

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