〜コモディティ化が進む工作機械〜
親会社と新規顧客の2本柱 竹内正則 工場長
同社の前身「OSメタル」は工作機械メーカー、スター精密(株)(静岡県静岡市)の子会社として1994年に設立され、スター精密向けの外装カバーの板金加工・組立・塗装までを一貫して手がけてきた。2009年に、同じくスター精密の子会社で、工作機械の主軸やスピンドルなど内部ユニットの機械加工・組立を行う東新精機鰍吸収合併し、スターメタル(株)に社名変更、現在では同社内の板金製造部門・機械製造部門がそれぞれの事業を引き継いでいる。竹内正則工場長は、「リーマンコモディティ化が進む工作機械ショック後は非常に厳しく、スター精密の仕事だけではやっていけなくなりました。当社はOSメタルの頃から、細々とではありますが外販もやっていましたので、スター精密以外のお客さまとのパイプをさらに太くするとともに、今年6月に開催された機械要素技術展や地元の展示会などで広く外部にPR、新規顧客の開拓に注力しています。『従来の取引先との付き合いがあるから』と門前払いされることがほとんどでしたがそんな中でも2〜3件、新規のお客さまを獲得することができました。その中には2〜3年前から商談を続けてきた大手電子デバイス機器メーカーも含まれ、このお客さまが今年になってから増産体制に入り、夏場には想定した以上のボリュームの仕事をいただけました。7〜8月は夏休みもなくフル稼働、一時はスター精密を上回り、売上の60%を占めるまでになりました。今年になってスター精密からの受注も回復してきて、現在では完全にオーバーフロー状態です」。 日米欧向けの大型機種を中心に秋以降の回復を見込む 7列8段の自動倉庫MARSと連動して長時間連続運転を実現したパンチ・レーザ複合マシンEML-3510NT+TK(テイクアウトローダー)
「当社の得意先は10社前後ですが、スター精密と電子デバイス機器メーカーの2社が売上のほとんどを占めています。ただし、電子デバイス機器の仕事はシリコンサイクルの影響による変動が激しく、秋口から落ちてくる。一方、スター精密の国内生産機種は秋以降、大型モデルが中心になっていき、日米欧を中心に需要が見込めるとのことで、かなり強気な生産計画を打ち出しています。冬場以降はスター精密と電子デバイス機器のバランスが再び逆転することにもなりそうです。電子デバイス機器は中国向けがメインで、春節明けにもう一度生産の山が来るとも言われています」。仕事量ではピーク時を超える回復を見せており、売上金額もピーク比80〜90%にまで回復しているが、厳しいコストダウン要請によって利益率は忙しさに比例しない。利益確保のために、変動費・外注費の削減、自動化・デジタル化によるムダ取りが実行されている。... つづきは本誌2010年11月号でご購読下さい。 |