〜コモディティ化が進む工作機械〜

ピーク比40%に回復した工作機械カバー
現場力を活かしたコスト改善を目指す

フォーミックス株式会社



トヨタグループの一翼を担う
進藤俊樹社長進藤俊樹社長
同社はトヨタグループの中核企業・(株)ジェイテクト(旧社名・豊田工機、以下J社)の100%子会社として板金製品の製造・販売を行う。23年前に豊田工機の板金部門が分離独立して設立。当初は豊田工機が製造する研削盤、マシニングセンタなどの工作機械カバーを製造していたが、1994年頃からトヨタホームの住宅関連製品も受注するようになった。1998年には住宅関連製品の新工場を増築、2003年にも新工場を建設。工作機械カバーにステンレス材のライン、2005年にはトヨタホーム部材生産ラインを付加、2007年にはバルコニー生産累計2万台を達成、2008年には北新工場も増設した。

リーマンショック後はピーク比90%減
塗装が終了した工作機械のカバー塗装が終了した工作機械のカバー
「1994年に住宅関連製品の受注を開始し、工作機械カバーとの2本柱で受注を平準化しました。工作機械カバー関連60%、住宅関連製品38%、その他2%という売上構成比で、年商26億円前後、従業員数も140名程度にまで増えました」。
「リーマンショックで工作機械カバーの受注は一時はピーク比90%減、2009年度の売上はピーク比40%減、工作機械カバーはピーク比80%減にまで落ち込みました」。
「工作機械業界も小型工作機械を中心に2009年秋頃からは中国向けの受注が急速に回復、外需主導で明るさが見えるようになりましたが、J社グループの受注動向が改善し始めたのは今年の春以降です。直近ではJ社の工作機械受注額も月間35億円程度にまで改善、とりわけ中・大型マシニングセンタの欧米向けの輸出が回復、工作機械カバー生産は前年同期比2倍になっています。しかし、ピーク比では30〜40%程度でまだまだこれからです」進藤俊樹社長はリーマンショック後の経営環境の変化を語っている。

工程フローなどの見直しに着手
パンチングマシンEMK-3510NT+ASR-48MパンチングマシンEMK-3510NT+ASR-48M
リーマンショック前は、工作機械・住宅関連ともに順調に推移してきたが、いずれも受注生産への対応が求められるため確定受注が入り、出荷納期が決まった段階での社内生産の作業指示、外部の協力会社への発注手配、そして工程納期に対応する進捗管理が大きな課題となっていた。「トヨタ生産方式」が会社設立時から踏襲され、カンバンによる工程管理とともに、ムダ取りによる改善活動が定常的に行われ、TQC活動を通しての生産性改善活動・原価低減活動が徹底して進められていた。工作機械カバーは研削盤でも、親番でヒモ付けする主要部品の数は70〜80点、マシニングセンタでは200〜250点にもなり子部品・孫部品を加えると部品の種類は1機種あたり数百点以上の数になる。...

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