〜アジア市場の拡大で最適調達が進む農業機械業界〜
国内市場は減少、新興市場は拡大 農業機械の国内市場は農業従事者の高齢化、農家戸数の減少、さらには大規模化・集約化に伴う機械の大型化・共有化の動きが顕著となっている。また、食の安全・安心に対応した環境・安全コストの負担増などの構造変化によって農家は厳しい経営を迫られている。 (社)日本農業機械工業会の出荷統計(グラフ)に見られるように、国内市場が減少傾向にあり、新興市場へ向けた輸出が増大している。1998年の出荷額は5,182億円、国内4,196億円、輸出986億円で輸出比率は19%だった。これが2007〜2009年の輸出金額と輸出比率は、それぞれ1,874億円(39%)、2,156億円(39%)、1,405億円(29%)と10〜19ポイントも増加している。それに対して国内への出荷総額は10年間で18〜30%減少している。 田植機に搭載され、鉄粉でコーティングした種子を直播する8条植え直播機「鉄まきちゃん」(クボタ)
好調に推移している輸出だが、為替リスクや人件費の高騰に対応して、各メーカーは稲作が盛んな新興市場(中国・タイ・インド・インドネシアなど)へ生産をシフトする“地産地消”戦略を推し進めているため、輸出比率が30%を大幅に上回る事態にはならないと推測される。...つづきは本誌2010年9月号でご購読下さい。 |