連載「ユーザーが語るデジタル-第4回」

VPSSを実現するマシンとソフト
ー パンチ・レーザ複合マシン




パンチ・レーザ複合マシンEML-3610NTP+ASR-48M+TK((株)高村興業所)パンチ・レーザ複合マシンEML-3610NTP+ASR-48M+TK((株)高村興業所)
板金加工の各工程―ブランク工程・曲げ工程・溶接工程で稼働する加工マシンと、CAD/CAM・生産管理・Webの活用といったソフトの評価について、説得力のある導入ユーザーの声を紹介していく。今回は、ブランク工程で稼働するパンチ・レーザ複合マシンを取り上げる。

パンチ・レーザ複合マシン EML-NTシリーズ
EML-NTシリーズを導入する動機としては、工程統合によるレーザ加工・成形加工・タッピングといった複合加工への対応を挙げる声がほとんど。また、さらなる省人化・自動化を考えてTK(テイクアウトローダー)を、金型保有本数の制約を嫌ってPDC(パンチ・ダイ自動交換装置)を追加して改善を図っている声も多く聞かれる。

工程統合により大幅な工程短縮を実現
EML-NTシリーズの高ハイト成形加工イメージ(アマダ提供)EML-NTシリーズの高ハイト成形加工イメージ(アマダ提供)
「(EML-NTシリーズは)高速レーザと高速ヒットレートを誇るACサーボ・ダイレクトツインドライブのパンチングマシンとの複合マシン。成形・タップなど、多彩な加工を迅速に、しかもバリ発生がなく高精度に行うことができ、以前は1時間かかっていた4´×8´材の加工が10分で終了するようになった。パンチ・レーザの複合機能を強化するため金型交換機能を持ち、金型ストレージには最大220本の金型を保有するPDCを備え、複雑形状の精密切断・加工を工程統合してワンクランプで加工できるようになった」(景山産業(株)・広島)。
 「EMLには浮上式のブラシテーブルとP&F(パンチング&フォーミング)機構が採用され、上向き、下向きのバーリング加工時のキズなし加工を、さらにダイを上下させることで下方からの絞り加工を可能にしています。4軸のタップユニット(オプション)を採用しパンチ加工、成形加工とタップ加工との工程統合を実現することでブランク工程の大幅な工程短縮ができる」((株)高村興業所・広島)。
 「220本の金型を保有するPDC(パンチ・ダイ自動交換装置)と4kWレーザ発振器を備えたEMLパンチ、レーザ、タップ、バーリングなどの工程が統合され、ワンクランプでブランク加工の大半が加工できる」((有)吉見鈑金製作所・長野)。...

つづきは本誌2010年8月号でご購読下さい。