〜シフトグローバルが加速する建設機械と板金業界〜

圧倒的なコストパフォーマンスを武器に国内で勝負
専用機化・段取り削減・工程統合による徹底的な合理化

株式会社内山製作所



国内で合理化を徹底
内山進社長内山進社長
「当社にとって建機業界は、あくまでも現状の得意先業界の中で、最も競争力のある業界の1つに過ぎません」と内山進社長は強調する。
エンジンブラケット、フランジ、サポート、フットレスト、各種構成部品など建機向け板金部材の割合は70〜80%と大きい。リーマンショック後、同社の売上は約1/3に減少、現在はピーク比50 〜 60%にまで回復した。仕事量の回復は建機業界の需要回復によるところが大きいが、地産地消の流れで大手建機メーカーが相次いで中国・インドなどへと生産拠点を拡充する中、内山社長は「建機の国内生産量が完全に元に戻ることはないでしょう」と認識しながらも、海外進出は念頭にない。仕事量が減少しても積極的な設備投資を続け、徹底的な合理化を推進。「現在は半径50q圏内が主な商圏ですが、これを関東全域100q圏内へと拡大したい」と語り、建機関連に限らず、圧倒的なコストパフォーマンスを武器に国内でさらなる受注拡大に繋げようと考えている。

トラックの生産ラインとFMSがルーツ
板厚6oまでの工程統合に対応するEML-3510NTP+ASR-48M板厚6oまでの工程統合に対応するEML-3510NTP+ASR-48M
創業社長である内山社長は20代で大手トラックメーカーの社員として生産技術に携わり、エンジン工場の立ち上げから、サプライヤーまで含めた生産合理化―SCM構築まで手がけた。その後は大手機械メーカーで生産設備のレイアウトから立ち上げ、自動倉庫などFMSの構築にも取り組んだ。
30代で独立し、中・厚板加工をメインとする板金業界に参入した。「FMSの最終的な目標は完全無人化。ヒトの作業を機械化・ロボット化して、着脱式のアームを取り付け、ラインの中に塗装工程を採り入れるなどして、自動で完成品までつくるエンジニアリングビジネスを追求してきました。1985年に独立したとき、薄板板金業界はすでに機械化・自動化がかなり進んでおり、設備にも数億円規模の投資が必要で、新たに参入できる環境ではなかった。しかし、中・厚板板金は自動化の流れから取り残され、合理化できる余地が多分にあると考えました」。...

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