〜シフトグローバルが加速する建設機械と板金業界〜

生産現場のモノづくり力、
技術開発力を維持強化する
中国で建機板金部材生産の拠点工場を2カ所開設



板金加工に取り組み半世紀
藤谷良樹社長藤谷良樹社長
1944年、社長の祖父により板金加工業として神戸市内で創業、1960年代からは建設機械―特に油圧ショベル、クレーンのキャビンをはじめ、板厚3.2o以下のカバーなども手がけるようになり、1979年に500トン油圧プレスを導入し、プレスキャブ、3次元形状の外板カバー等の生産も行うようになった。油圧ショベルが内需から輸出主導の外需へと移行するに従って、街中の神戸から生産環境の整った明石に工場を移転した。受注量拡大に伴い工場も増築、大型建機部材の加工・組立にも対応できる規模に拡張していった。1999年には塗装工場も建設して加工から組立、塗装まで対応できる建機板金部材の有力サプライヤーに育っていった。

「技術開発センター」開設
建機板金部材の曲げ加工を行う。現場には8台のネットワーク対応型ベンディングマシンが並ぶ建機板金部材の曲げ加工を行う。現場には8台のネットワーク対応型ベンディングマシンが並ぶ
同社固有の板金加工ノウハウを発注元の設計部門に反映させるため、発注元の設計部門に導入されたCADと同じものを1990年に導入し、CADデータからの展開・プログラム作成を一貫して行うようになる。さらには発注情報の電子化に対応するために1996年には工場内にネットワークを導入して加工情報・生産情報の一元管理にも取り組み、2001年からはEDI受注を開始するようになった。2002年には大手建機メーカー広島工場の近傍(広島市安佐南区)に自社で「技術開発センター」を開設してメーカーの開発・設計部門に自社の設計者を派遣社員として送り込み、建機板金部材の設計もコラボレーションするようになる。また、社内には1,000トンの大型プレスを導入し、油圧ショベルの大型化にも対応するようになっていった。

神戸鈑金(無錫)金属有限公司(KBW)を設立
2003年頃になって、発注元の建機メーカーが中国に工場を建設するのに追従して進出することを考え、営業許可を取得。建機市場としても有望な中国での日系をはじめとする外資系の建機メーカーからの受注を見込んで、上海近郊の無錫市に神戸鈑金(無錫)金属有限公司(KBW)を設立、日本人の総経理を置いて、2005年から操業を開始した。同工場は2万6,000uの敷地に各種施設を整え、主に建設機械薄板部品やコンプレッサー内外カバーの製造工場として着実に業容を拡大してきた。...

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