〜シフトグローバルが加速する建設機械と板金業界〜

世界の建機産業を牽引する
中国市場



予想を大きく上回る回復
「この2カ月半で状況は大きく変わった。中国の春節明け(2月下旬)から建機業界は急速に回復している」。(社)日本建設機械工業会会長の野路社長(コマツ・代表取締役社長兼CEO)は、5月20日の就任記者会見でこのように語った。
同工業会が2月18日に発表した2010年度の需要予測では、上期の内需は1,585億円(前年同期比5%減)、上期の輸出は2,813億円(同14%増)となっていた。それが春節明けの3月度は内需607億円(同10.6%増)、外需1,257億円(同71.3%増)。4月度は、内需281億円(同9.9%増)、外需900億円(同94.7%増)。5月度は、内需265億円(同1.2%増)、外需937億円(同117.6%増)と、外需を中心に予想を大きく上回る回復を見せている。

中国市場が牽引
グラフ2 日本国内の建機出荷額推移/(社)日本建設機械工業会統計資料よりグラフ2 日本国内の建機出荷額推移/(社)日本建設機械工業会統計資料より
回復の急速さと規模こそ予想外だったものの、中国市場が世界の建機市場をリードするようになることは予測されていた。
中国の建機出荷額は2001年から2009年までの8年間で5.5倍に増加、年平均の成長率は24%にものぼり、世界の機械出荷額に占めるシェアは50%を越えるまでになった(グラフ1)。中国工程機械工業協会は、2010年代の中国の出荷額は年率15%で成長すると推測しているが、2010年1〜4月の機械出荷額は前年比40%増となっており、中国市場はさらなる成長が予想される。
一方、日本建設機械工業会の統計によると、日本国内の建機出荷額は2010年1月からようやく前年同月比でプラス成長に転じ、1〜5月の期間では前年比40%以上の伸びを示している(グラフ2)。しかしピーク(2008年)比では60%を割り込んでおり、一口に40%以上の成長率と言っても中国のそれとは意味合いが大きく異なっている。...

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