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1社依存からの脱却を図る
C1導入とWebの活用で新規得意先開拓を狙う

株式会社丸新



1社依存からの脱却を図る
柳本利幸社長柳本利幸社長
同社は大手情報通信メーカーとの安定した取引を約20年間にわたって続け、成長してきた。スーパーコンピュータ関連の筐体や外装パネルなどを中心に、売上の80〜90%を占めていた。しかし、リーマンショックと民主党政権下での「事業仕分け」の影響でスーパーコンピュータ関連の開発費用が見直されることになり、得意先の関連事業が縮小、2009年度は大幅な減収減益となった。
それ以降は、これまでに培った加工技術、IT化のノウハウ、プレス・溶接・塗装ラインなどの既設の加工設備、新たに導入し加工範囲を拡大した工程統合マシンLC-2012C1NTといった強みを積極的にPRして新規得意先開拓に乗り出し、1社依存構造からの脱却を目指している。

新規得意先開拓を目指す
SheetWorksで作成したコンピュータ筐体パネルの製品モデルSheetWorksで作成したコンピュータ筐体パネルの製品モデル
「何も手を打たなくては“ジリ貧”。良くなる保証はありませんが、やれることはやっておきたい。下手をすると経営状態の悪化が早まることになるのかもしれませんが、それくらいのリスクを冒さなければ今の時代は乗り切れません」と近藤社長は危機意識を強く語った。
「去年の5月くらいには、売上がどこまで落ちていくのかと不安でした。一時帰休を実施し、緊急雇用助成金を申請するなど、尽くせるだけの手を尽くしても売上はピークの半分以下。スーパーコンピュータの事業が縮小したことで大幅な減収減益となりました。2002年は世界最速と言われた第1次世代のスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」の外装パネル3,000枚をすべて手がけましたが、今後スーパーコンピュータ関連の仕事が減っていくのは必至。春先以降、その他のコンピュータ関連の仕事は回復していますが、過度の期待は禁物です。これからは新規開拓が不可欠で、得意先を業種別に開拓して売上比率を3:3:3くらいに分散したい。そのためには設備を増強し、加工領域を拡げ、もっと幅広い仕事に対応できるようにしていきたい。設備面では充実しているのであとは仕事を確保するだけです」。...

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