〜Event〜

「機械要素技術展(M-Tech)」に30社以上の板金企業が出展
加速するグローバル化に対応―最適な加工技術の提案で勝ち残りを目指す



3現主義に根ざしたCAD/CAM生産の普及に至らず
機械要素技術展(M-Tech)
「第14回 機械要素技術展(M-Tech)」が6月23日から25日までの3日間、東京ビッグサイト東展示棟6ホール全館を使って開催された。同展は機械要素・加工技術を一堂に集めた日本最大の専門展。併催の設計製造ソリューション展に来場する多くの設計技術者に実際のモノづくりの現場力をアピールする絶好の機会として、回を重ねるごとに中小製造業者の出展が増大する傾向が見られている。今回の出展者は1,596社、期間中の来場者数は8万4,353人となった。「設計製造ソリューション」とは、3次元CAD/CAM/CAEを中心に設計上流からサプライヤーの製造現場まで、3次元モデルのシームレスなプラットホームを構築することで、現場力に根ざしたQ,C,Dを満足させるフロントローディング開発やコンカレントエンジニアリングを実現し、日本品質のモノづくり力強化を目指すという大手企業の構想から生まれた考え。しかし、現実の製造現場には作業者や材料・加工設備・雰囲気など様々な個体差や暗黙知が存在しており、それらを一気にデジタル化(形式値)に置き換えるのは難しい。設計者の中にはバーチャルな製品モデルができ上がれば、すぐに製品ができると錯覚する人もいるが、仮想現実(バーチャルリアリティー:VR)で製造性を検証できれば、すぐに現実の製品ができ上がるというわけではない。3現主義―現場・現実・現物―を無視して製品はできない。設計の3次元化が想像以上に普及しないのも、こうした現実があるからに他ならない。

空洞化の危機がシフトグローバルを加速
各ブースで加工技術の提案を行う光景が見られた各ブースで加工技術の提案を行う光景が見られた
2008年9月のリーマンショックを契機に世界中でパラダイムシフトが起こり、中国・インドなどBRICsと呼ばれる新興市場がボリュームゾーンとして急速に存在感を増してきた。それに引き換え日本は出生率の低下によって少子高齢化が進み、世帯数の減少による購買力の低下が懸念されている。その結果、大手発注元はボリュームゾーンでのシェア向上を目指し“地産地消”を強化、最適地生産・最適調達・最適地販売の考え方を強めており、国内の中小製造業界は空洞化の危機を迎えている。...

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