〜世界経済をリードするBRICs〜

エレベータの三方枠・かご室の生産から航空機の内装品まで幅広く板金製品を加工
社員の30%が設計能力を備えたエンジニアリング集団

海寧紅獅グループ



中国市場で展望エレベータの三方枠・かご室シェア60〜70%を獲得
瀋 健一 董事長瀋 健一 董事長
同グループは中国の著名な観光地、浙江省海寧市に立地している。海寧市は上海・杭州・蘇州までいずれも車で1時間くらいと地理的な条件に優れ、文化の香り高い土地である。
同グループは中国国内の高級エレベータの三方枠・かご室生産を手がける主要企業。中でも展望エレベータのかご室の生産技術と生産量で中国市場をリードしており、シェアは60〜70%に達する。2004年から2008年にかけては、北京大劇場および首都空港のエレベータシステムなどの国家重点建設プロジェクトを次々に受注・納品した実績がある。

現在までの歩み
EM-2510NTによるブランク加工EM-2510NTによるブランク加工
年間売上は、1991年の設立当時の数十万元から、2009年には2.1億元(約29億円)まで伸びてきた。同社は2つの発展段階を経験してきた。
1991年の会社設立後、エレベータ部品の製品を中心に事業を行ってきたが、得意分野が不明確な中、業績は伸び悩み、瀋董事長は「改革と革新なくして会社の発展は叶わない」と認識。1999年、資金調達が非常に困難な中、なんとか銀行から借り入れ、アマダのパンチングマシンARIES-255(04PDシステム)を導入した。
当時、日本製品は世界最先端と認識されていた。アマダの機械を購入することで、自社の生産性や加工精度を向上させ、展望エレベータ業界へ進出するための有力な武器とした。
また、2009年のリーマンショック後、瀋董事長は「エレベータ業界でのさらなるシェア拡大は困難」との認識から、他分野の板金製造に進出することを決心、民間航空機向け部品受注を重点プロジェクとし、技術・設備・人員を準備するため、海寧紅獅宝盛科技有限公司を設立した。
現在の海寧紅獅グループは、以下の3社により構成されている。
  1. 海寧紅獅電梯内装有限公司
  2. 海寧紅獅宝盛科技有限公司
  3. 海寧紅獅機電有限公司
(いずれも浙江省海寧市)

社員の30%が設計力を備えたエンジニア集団
ブランク加工を行うFOL-3015NTブランク加工を行うFOL-3015NT
NC生産ライン、自動塗装ラインなど先進大型設備を保有し、製品設計は「エレベータコンピュータ設計システム」を使うことで構想設計の完全・スムーズな具体化を実現している。生産設計では、上海交通大学と協力して開発した「快速設計システム」を使用し、製品のモジュール化・パラメーター化に基づいて3次元CADによる可視化を実現、レスポンスにも優れ、確実性も高い。...

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