〜地産地消が進む医療機器関連の板金業界〜

画像診断装置の国内市場はデジタル化・高性能化が進展
診療報酬改定・ITシステム普及促進が後押し



2010年度診療報酬改定で画像診断装置は追い風
島津製作所のFPD搭載X線TVシステム「SONIALVISION safire17」島津製作所のFPD搭載X線TVシステム「SONIALVISION safire17」
2010年度診療報酬改定によって、診療報酬の総額が0.19%と10年ぶりにプラス改定された。これにともない、医療行為ごとに細かく定められている診療報酬も見直され、今回は特に高性能の画像診断・放射線治療機器による医療行為に多く加算された。
  1. X線撮影料がデジタルとアナログに分けられデジタルが増加・アナログが減少
  2. CT撮影料が16列以上のマルチスライスCT、16列未満のマルチスライスCT、シングルスライスCTの3つに分けられ、16列以上が増加、16列未満が微減、シングルスライスが大幅減少
  3. MRI撮影が1.5テスラ※1以上の機器が微増、1.5テスラ未満の機器が微減
  4. 同月内の2回目以降の撮影がMRIは従来の50%から80%へ大幅増、CTは従来の76%から80%へ増加
  5. 放射線治療のIGRT(画像誘導放射線治療)が新設
  6. 外傷全身CT撮影が新設
  7. マンモグラフィ(乳房X線撮影装置)の写真診断が約20%加算
こうした画像診断・放射線治療機器産業にとっては追い風となる見直しにより、今後、画像診断・放射線治療装置の国内市場はデジタル化・高性能化が加速すると見られている。また、もともと高度医療のニーズが強い海外メーカー(シーメンス・GEヘルスケア・フィリップス)の高性能製品(高精度・低被ばく)に日本メーカーが追随する構図になっていくと見られている。

国内ではITシステム関連が成長、装置はデジタル化・高性能化が進展
こうした中、国内の医療関係者へ向けた画像診断装置の総合展示会「2010国際医用画像総合展(ITEM2010)」が4月9日から11日までの3日間、パシフィコ横浜で開催された。期間中の来場者数は2万977人で、2万人を割り込んだ昨年を10.0%上回り、一昨年並みとなった。...

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