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自社開発の生産管理システムを刷新
アクティブホームページの導入で技術営業の素地を固める

共栄工業株式会社



吉澤社長の念願、生産管理システムを刷新
河西秀樹部長河西秀樹部長
今年2月、同社はMicrosoft Accessをベースとした生産管理システムを刷新。現場の作業者の着手・完了情報を吸い上げ、リアルタイムで進捗を確認するとともに、工数の情報から原価を算出し、個別単価を弾き出せるようになった。
「あれは私の念願でした」と吉澤社長は感動を隠さない。「板金加工ほど1つの製品が多岐の工程を渡っていく業種は他にありません。ですから、原価計算が煩雑になりすぎて手作業では無理がある。当社に入社する前は金融関係の仕事をしていたこともあって、金額面―特に原価管理は疎かにできない性格でした。しかし、私が手作業で原価を弾き出そうとすると、土日をつぶしても1週間に3点できれば良い方だった。どの板金企業でも改善計画書をつくれば必ず原価計算が項目に挙がってきますが、言うは易し行うは難しの典型で、なかなか実現できません。私も入社以来10年余、原価管理をちゃんとやろうと言い続けてきたのですが、多品種の量産が中心でとにかく忙しい。忙しいと、とにかく前を向いて、売上をどうやって伸ばすか、日々の仕事をどうやってこなすか、といった方向にばかり意識が向き、原価や生産性を記録して振り返る管理業務は疎かになりがちです。目に見えないところで少しずつ変わってはきたのですが、こうしてカタチになったのは初めてです。だから感動なんです」(吉澤社長)。

着手・完了の情報を吸い上げ、正確な工数管理を実現
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生産管理システムに対する同社の取り組みは早かった。かつてはMSDOSベースの生産管理システムを運用しており、1997年には2000年問題に配慮してAccessベースのシステムに移行した。このたび刷新したシステムでは、従来の生産管理の仕組みに原価管理の枠組みを入れ込んだ。
EDIで入ってくる受注情報は自動的に、EDI以外から入る受注情報は手入力で受注マスタに登録される。発行される生産指示書には製造番号を表現するバーコードが印字されており、現場では各作業者が端末を使ってバーコードを読み取ることで、着手・完了の情報を吸い上げる。実際の作業工数を中心に現場の情報を吸い上げることで、工程の進捗と加工に要した工数をリアルタイムで把握し、原価に反映することができる。
吉澤社長は「製品の個別単価を瞬時に出せるようになっただけで大きな進歩です。このシステムを開発した河西(部長)は当社で10年以上、生産管理を見続けてきました。優秀なSEは世の中に山ほどいますが、精密板金加工の特性を知り尽くしていて、なおかつ当社が使いやすい独自仕様の生産管理システムを社内で開発できるような人材はまずいません」と賛辞の言葉を惜しまない。...

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