〜特集「次世代送電網―スマートグリッドと板金業界」〜
再生可能エネルギー、スマートグリッドに関連する商品の開発
太陽光発電・風力発電・蓄電池・急速充電器に対応

中立電機株式会社・中立工業株式会社



中立電機(株)・中島進専務 中立工業(株)・小林富郎社長 中立電機(株)・佐野剛部長
取材に応える中立電機(株)・中島進専務(左)、中立工業(株)・小林富郎社長(中)、
中立電機(株)・佐野剛部長(右)
創業82年の専門メーカー
中立電機(株)は1927年に創業され、今年で82年目を迎えた受配電・制御システムのカスタムメーカーで、配電盤業界のトップメーカー。同社の中島進専務取締役、生産本部生産技術部佐野 剛部長、中立工業(株)・小林富郎社長にインタビュー取材を行った。

10年前に導入した出力10kWの太陽光発電装置10年前に導入した出力10kWの太陽光発電装置
板金の一貫生産システム構築
主な事業としては、盤事業を中心に売上の70%を占めるエンジニアリング事業・パワーシステム事業・FA事業・特機事業を展開。営業品目は、特高・高圧・低圧配電盤、制御盤、中央監視制御盤、分電盤、端子盤、情報システム装置、高低圧機器、各種プラント施設、メカトロ製品、FAシステム装置、シートメタル、リニューアルなど。使用する材料は、SPHCの板厚1.6〜3.2mm、SPCC の1.2mmが約90%で、ZAM材が10%。SUS1.5〜2.0mmの使用はわずかとなっている。
2008年9月のリーマンショックを契機に国内盤事業は減少傾向にあり、2008年度に対して2009年度は15%程度の受注減。製品は受注生産のため、ほとんどカスタム製品となっている。
その中で同社は多種多様な顧客ニーズに応え、品質向上・リードタイムの短縮・コスト削減に努めている。中でも構成機器のモジュール化に力を入れ、工期短縮・コストダウンを目指している。多くの盤メーカーが板金・塗装を外部に委託している中、同社は板金加工・溶接・仕上げ・塗装・配線組立まで一貫した生産体制を持ち、付加価値を高めるとともに、カスタム盤メーカーとして顧客満足度の改善に努力している。

30%のコストダウンを目標に生産改革
1982年に中立電機から板金・塗装部門が独立して発足した中立工業の豊明工場では、配電盤の製造を行う。千葉工場では制御盤・分電盤の筐体を中心に製作。ピーク時には配電盤を月間600面、制御盤・分電盤を月間3,500面製作していたが、最近の景気低迷により設備投資が減少していることから、国内の盤事業は収縮の傾向にある。加えて鋼材をはじめとした原材料の高騰により厳しい経営環境となっており、同社では30%のコストダウンを目標に掲げて生産改革に取り組んでいる。...

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