〜SHEET NOW〜

設計から装置組立までの一貫生産体制
環境関連・半導体製造装置関連に勝機を見出し国内で生きる

ニンバリ株式会社


2020年を目標とした「ネクストジェネレーション」計画
仁張 直敏社長仁張 直敏社長
「日本のモノづくりに携わる企業は、1985年に75万社だったのが2009年には47万社、毎年1万1,660社ずつの割合で減り、リーマンショック後には14万社もの企業がなくなってしまった、とも言われています。2010年は中小製造企業にとっては生き残りを懸けた正念場の年です。需要の減少で市場は収縮、生産拠点は海外へ移転し、国内での仕事量は減っていくと思います。しかし、当社は今の時点で海外へ出ることは考えていません。中国も1人っ子政策で2015年以降は労働人口が減っていくと予測されています。当然、製品は大型化、オーダーメイド生産が増えていくと思います。当社の板金の売上の70〜80%を占める環境試験機メーカーは、国内3工場を福知山工場に集約すると発表しました。カスタム製品は国内に残るということなので、この分野の仕事をターゲットにしていきたい。取引先は70〜80社、そのうち毎月定期的に仕事が来るのはその半分の30〜40社くらい。環境関連以外では、医療・食品関連などを手がけている既存のお客さまの懐へ入り込み、深堀りして仕事を創出していきたいと考えます。国内の板金加工企業の数も減ってきているので、生き残れば仕事量は確保できる」仁張社長は縮小する国内市場で生き残る方策について語っている。
生き残りの条件
「まず、Q,C,Dを満たす。当社のように広い工場を持っていれば、大型の製品や完成品まで対応できるので、それが強みとなっています。場所と設備と提案能力。既製品にアレンジが加えられる提案力を強みに、研究・開発企業と組み、環境関連の製品をつくる。それと他社との差別化です。大手の開発スタッフがいる所に入り込み、提携してノウハウを吸収する。その時に経験したノウハウ・技術は社内に蓄積するので、他の加工製品や自社製品の開発にも応用できます」と仁張社長。
情報の価値
曲げ工程では手袋・帽子着用で生産面だけでなく安全面も考慮されている曲げ工程では手袋・帽子着用で生産面だけでなく安全面も考慮されている
仁張社長は中小企業支援センター「京都産業21」に参加。これは経営支援と技術支援を行う組織で、経営相談・産学公連携・異業種交流・企業間交流の場を提供してくれる他、生産設備導入支援が受けられる。そこで出会う人々から、将来ビジョンや中・長期計画のヒントをもらうこともある。得意先からだけでなく、こうした活動を通じて、京都府北部の地にいながら、広く活動する営業マンや同業者からの情報を的確につかんでいる。...

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