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製造業のサービス業化を実践
コーディネートアドバイザー企業として、安全・安心な製品づくりをスマートに

伊東板金工業株式会社


2020年を目標とした「ネクストジェネレーション」計画
伊東健二社長伊東健二社長
現在でも売上の50%を占めるO社は同社の発展にとっては欠くことのできない得意先。特に新しい生産方式・トヨタ生産方式に準拠した生産改革や、3次元CAD導入による可視化エンジニアリングなどの導入指導を受けることで拡充してきた。同社本社工場で板金加工(自動販売機・自動精算機など)と精密板金加工(半導体製造装置・医療用分析機器など)を行う。1997年には滋賀に組立・配線工場、リペア事業(ATMモジュール部品のメンテナンス事業)を立ち上げた。機械加工部材の調達は中国福建省のローカルベンダーと協業している。
「今年、設立50周年を迎え、次の10年計画『ネクストジェネレーション』の青写真を2、3年前から描き始めていました。これからは、なんでも請けるのではなく、適材適所でお客さまにお応えしていく。国内2カ所の工場、中国福建省のローカルベンダーもしかり、です。また、この不況後はさらに一歩進んだモノづくりの時代が来るでしょう。そのためには当社も安全な製品づくり、安心な企業へと今以上にステップアップする必要があると思います。営業・開発・受注から製造・組立・納品・出荷だけではなく、アフターフォローまでのラインに対応し、お客さまの要望に沿った顧客満足度の向上を狙い、競争優位に立つ。板金加工、組立を切り口にするが、こだわらない。その中から新しいビジネスが生まれてくる気がしています。その準備として、4月中にベトナムを訪れ、モノづくり環境の調査を行いました」と伊東健二社長は語りはじめる。

モノづくりの具体例
社員の技量に頼ったモノづくりか ら、加工マシンやソフトウエアへの置き換えを積極的に推進。例えば、正しい展開図を短時間に作成する2次元CAD/CAM AP100や3次元ソリッド板金CAD SheetWorksなどを導入して事務所側で間違いのないデータを作成・記録。曲げ加工データを全自動で作成することができるDr.ABE_Bendなどの支援ソフトを充実させ、曲げ担当者のストレスを軽減するとともに、不良率低減にも役立たせている。加工マシンもネットワーク対応型高精度ベンディングマシンHDS-8025NTや人手を介さずにタップ立てを行うCTS-900NT、パンチ・レーザ複合マシンAPERIOV-255EcoNTなど、ネットワークを活用したモノづくりを進め、受注からの流れが非常にスピーディかつスマートになった。
パンチングマシンEMZ-3510NTがコンコンと刻むパンチングマシンEMZ-3510NTがコンコンと刻む
また、京都議定書のお膝元という意識が強く、地球温暖化対策への配慮も見せる。街中の工場ということで、トラックの出入りや工場騒音などに対する近隣への配慮、市内清掃活動など、地域コミュニティーに溶け込む努力を惜しまず実行している。...

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