〜特集「製造業の海外移転と板金業界」〜
海外主導で事業発展を考える発注元

中国・ASEANへの生産移転が進み、国内市場の収縮と受注単価の下落が深刻に



グラフ1 海外生産比率と海外売上高比率/ JBICグラフ1 海外生産比率と海外売上高比率/ JBIC
国内外の生産拠点の集約化
国際協力銀行(JBIC)が昨年11月に発表した「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告―2009年度 海外直接投資アンケート結果(第21回)」によると、今回の経済危機による製造業への影響は大きく、未だに尾を引いている一方で、海外事業へ活路を求める動きが活発化しており、内需型の業種も含めて中国・インドなど新興国市場への関心が高まっていることが分かった。
同調査は、国内製造業で海外現地法人を3社以上(うち、生産拠点1社以上を含む)有する企業1,004社を対象に実施し、625社(回答率62.3%)からの回答を得てまとめたもの。主要なポイントは以下のとおり。

経済危機の際の対応、2/3が「攻めと守り両方を実施」
経済危機の際の対応として、回答企業の2/3が「攻めと守り両方を実施」、1/3が「守りに専念」と回答。多くの企業が何らかの前向きな施策を実行している。攻めの施策で比較的目立つのが、国内における研究・開発の強化とアジア地域における生産拡大。

海外事業を強化・拡大する企業は約66%
海外事業に対する姿勢では、約66%の企業が強化・拡大すると回答(前年比約13ポイント減)。その一方、国内事業で強化・拡大するとした企業は約27%(前年比約14ポイント減)にとどまり、現状維持するとした企業は55%となった。

海外事業の強化に対する意欲拡大
海外事業を強化・拡大するとした回答の業種別比率を見ると、自動車は50%と前年比35ポイントの大幅減少となり、全業種の中で最も低かった。対照的に、食品は83%と前年比5ポイント増加し、全業種の中で最も高かった。国内事業を強化・拡大するとした回答の業種別比率も自動車が低水準、食品が高水準となった。...

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