〜SHEET NOW〜

Win-Win連合で勝ち残りを目指す
同業者間のネットワークで仕事の負荷を平準化

株式会社小沼製作所


19年前にパンチ・レーザ複合マシンを導入
小沼弘和専務小沼弘和専務
小沼社長は若い頃、県内の板金工場で技術を習得した後、個人で板金工場を創立、製パン機械カバーや耕運機部品の加工を行うようになった。その後、県内の大手建機メーカーからクレーンのエンジンカバーなどの板金仕事を受注するようになり、1.6〜6.0mmまでの薄板・中板の切断・抜き・曲げ・溶接を行うようになった。そして1991年、当時としては導入している同業者が少なかったパンチ・レーザ複合マシンAPELIOIII-357F10を2次元CAD/CAM AP40とともに導入した。
社長には3人の息子がいたが、現在取締役専務を務める長男の小沼弘和さんが1993年に入社、翌1994年に職業訓練法人アマダスクールが主催するJMC(Junior ManagementCollege)を受講し、板金工場の後継者として必要な加工技術・経営の知識などを学んだ。併せて納入済みだったAP40とAPELIOの操作も学び、JMC修了後は事業継承者として社長の右腕になるべく力を蓄えていく。
溶接組立の手順を作業者がミーティングしてノウハウを社有化する溶接組立の手順を作業者がミーティングしてノウハウを社有化する
「高校を卒業した頃は、すぐに家業を継ぐという覚悟もなく、いろいろなことを勉強したいということでレアメタルの回収をする会社に就職、主に半導体メーカーの工場を回っては、残材となったシリコンを回収する仕事をしていました。しかし、サラリーマンはどこまで行ってもサラリーマン。ゆくゆくは家業である小沼製作所を継承しなければいけない、と徐々に考えるようになり、数年後、入社しました。しかし、板金加工のことはむろん、経営に必要な計数管理のこともまるで分かりません。そこで、社長に相談してJMCで板金加工の実務から経営全般の知識まで幅広く勉強させてもらいました。こうした経験を通じて同業者の事業後継者とも交流を持つようになりました」と、小沼専務は外の社会を見てから入社したいきさつを語る。 ...

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