〜世界経済をリードするBRICs〜

インフラ整備事業を背景に急速に成長するベトナム国内産業
アマダ、将来を見据えテクニカルセンター設立



3つの経済回廊とFTA(自由貿易協定)により、2メコン圏は堅実な成長が見込まれる/外務省「ともに未来へ、日本とメコン」より作成3つの経済回廊とFTA(自由貿易協定)により、2メコン圏は堅実な成長が見込まれる/外務省「ともに未来へ、日本とメコン」より作成
東南アジア10カ国が加盟するASEAN(東南アジア諸国連合)。その中でもベトナムとインドネシアは、BRICsに続く次々代の経済発展地域と目されるVISTA※1に名を連ねている。JETRO(日本貿易振興機構)によると、最近10年間のベトナムの実質GDP成長率は平均7.25%(グラフ1)。アジア諸国の中ではインドを上回り、中国に次ぐ高い成長率を示している。
そこで今回は、BRICsには数えられていないが、ASEAN最有望国、「ネクストチャイナ」筆頭格に挙げられ、日系メーカーの海外進出先として注目されるベトナムを取り上げる。

SolidWorksで3次元モデルを作成する(ハノイのTAM ANH Industrial Electricity Company)SolidWorksで3次元モデルを作成する(ハノイのTAM ANH Industrial Electricity Company)
大メコン圏を中心にASEAN域内は堅実に成長
ASEAN地域は、2002年に発効したAFTA(ASEAN自由貿易協定)※2、東西経済回廊・南北経済回廊・南部経済回廊の3つの経済回廊※3の効果により、タイとベトナムを中心に域内貿易の堅実な拡大が見込まれる。同協定によりASEAN域内の貿易の活発化が進むとともに、3つの経済回廊によって結ばれた「大メコン圏」―ベトナム、タイ、ラオス、カンボジア、ミャンマー、中国(雲南省)の6カ国で経済交流が急速に活発化すると予測されている。
これに加えて今年1月には、ASEANとインドの間でAIFTA(ASEANインド自由貿易協定)が発効され、2016年までに貿易品目の約80%について関税を順次撤廃する計画。ASEANとインドの人口は計17億人にものぼり、中国まで含めるとさらに増える。日本との間では、日本ASEAN包括的経済連携協定が2008年12月から順次発効。その他、中国とはACFTA(ASEAN中国自由貿易協定)が2005年7月に発効、韓国とはAKFTA(ASEAN韓国自由貿易協定)が2007年6月に発効されている。ASEAN+3(日本・中国・韓国)やAEAN+6(前掲3カ国+インド・オーストラリア・ニュージーランド)など、東アジアやオセアニア諸国との連携強化の枠組みづくりも進められており、将来的には東アジア共同体のような巨大なブロック経済圏も構想されている。...

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