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海外シフトに対応した提案力
独自のサプライチェーンを構築し、強力なエンジニアリング体制を確立

株式会社ナガシマ製作所 東北花泉工場



村上勝弘技術責任者村上勝弘技術責任者
新興諸国のボリュームゾーンに対して製品供給を行うため、「地産地消」という視点から工業製品の海外シフト、産業空洞化が進み、国内ではデフレ経済が深刻な事態に陥っている。こうした状況の中、試作を中心としたプレス・精密板金加工を行う一方で、異業種ネットワークとエンジニアリング力を武器に成長を続ける潟iガシマ製作所・東北花泉工場を取材した。

海外シフトの端境期、量産を受注
同社の得意先は約20社で、毎月定期的に受注しているのは10社あまり。外食産業向け券売機や紙幣計算機の紙幣ユニットを含む機構部品、通信機器用部品、アミューズメント設備関連、鉄道車両の車載機器や駅の管制室用制御装置関連部品の試作が中心。その他に家電製品の取付パネルやフレームなどの試作も行っている。
取材当日は納期の迫った券売機生産の真っ最中。日中にプログラム作成と加工、夜間は材料棚を装備し、220本の金型交換装置を備えたシングルパンチプレスHMX-3510NTの自動運転を行っている。「試作メインの当社にとっては珍しいこと」と村上勝弘技術責任者は語っている。
「現在、量産している製品は、昨年・一昨年に当社が試作しました。リピート生産は中国へ移管するまで、当社でユニットを製作・供給し、組立のみ中国で行うことになりました。部品点数は1台あたり約200点で、かなりのボリュームになります。当社で製作する場合は、お客さまの設計意図を汲みながら、例えば通常の金型を少し削って対応するなど、アレンジを加えて対応できますが、中国での量産が念頭にあるお客さまからは、標準的な工法で製作できるよう、アレンジせずにフィードバックしてほしいとの要望を受けています」。

通信機器用の部品通信機器用の部品
量産の海外シフトにも対応した提案力
海外への生産シフトという事態について本音を聞くと、「もちろん、量産の仕事も取っていきたいという思いはあります」と村上技術責任者は答えた。...

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